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「女神は二度微笑む」(カハーニー/物語) いよいよ5月2日福岡公開です

先日,このブログでもお伝えしていましたが、2012年アジアフォーカス・福岡国際映画祭上映作品の「女神は二度微笑む」(アジアフォーカスでは、「カハーニー/物語」のタイトルで上映)がいよいよ福岡でも5月2日(土)よりKBCシネマで公開になります。先日もご紹介しましたが、「極上のサスペンスエンターテインメント」の謳い文句のとおり、最後まで目が離せない作品です。映画祭でご覧になった方もご覧になってない方もこの機会にぜひ劇場に足をお運びください。
上映スケジュールなどはKBCシネマのHPをご確認ください。

KBCシネマHP

http://www.h6.dion.ne.jp/~kbccine/

「女神は二度微笑む」公式サイト

http://megami-movie.com/

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「女神は二度微笑む」(カハーニー/物語) 近日福岡公開@KBCシネマ

2012年アジアフォーカス上映作品が先月より劇場公開されています(渋谷ユーロスペースにて2月21日より)。福岡では日程は未定ですが、KBCシネマで公開予定。「カハーニー/物語」あらため「女神は二度微笑む」というタイトルになっています。歌や踊りのシーンのないインド映画としては比較的短め(?)の映画ですが、「極上のサスペンスエンターテインメント」の謳い文句のとおり、最後まで目が離せません。映画祭でご覧になった方もご覧になってない方はもっと、ぜひ劇場に足をお運びください。

http://megami-movie.com/index.html

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FOCUS ON CINEMA⑨【シッダルタ〈インド/カナダ〉Q&A】

 

監督 リチー・メーヘター
(司会:梁木靖弘)

 

「両親はインド出身ですが、私はカナダで生まれ育ちました。インドはとても複雑な街。その混沌の割れ目の中に落ち込んでしまった人たちがこの物語です。ロッテルダム映画祭で梁木さんとお会いして、福岡にお招きいただいた時、即答しました。日本の皆さんがどういう反応をするのか、楽しみにしております」という監督の挨拶で始まったQ&A。和やかな雰囲気のなか、質問が次々と寄せられました。

 

Q(司会):最近のインド映画には、行方不明になった人を捜す物語が多くて、中でも特別印象に残った作品なのですが、エンディングはショッキングでした。物語はどういうふうに作られたのですか。

監督:この映画は、実話に基づいています。デリーで乗ったトゥクトゥクのドライバーに、「ドングリという場所を知らないか?」と聞かれたのです。彼の12歳の息子が行方不明になったと言いますが、息子の名前のスペリングも不明だったし、写真も持っていませんでした。グーグルで検索したら3秒で分かることを彼は1年以上もずっと人に聞いてまわっていたんです。私は、一生懸命ポジティブに息子を探しつつも毎日自分の仕事をしている、そんな彼の姿に心を動かされました。もしカナダで同じようなことが起きたら、仕事なんかできる状況じゃないでしょう。でも彼の場合、落ち込んで鬱病になるという選択肢はなかった、働かざるをえない状況で生きているんです。彼を通して、私たちだってどんな苦しみも乗り越え、生き延びることができると思いました。私は息子を捜す父親を中心に物語を作ったので、エンディングはああいうストーリーにならざるをえませんでした。

 

Q:映画のタイトルを聞いた時、ブッダを指すゴータマ・シッダールタの話かなと思いました。なぜこの題名にしたのでしょうか?

監督:この名前は、インドの子どもによくつける名前で、意図的につけました。サンスクリット語の意味のひとつに、ブッダになぞらえて「究極の真実を探求する」というのがあります。主人公が求めているのはそれだと思ったからです。

 

Q:監督はカナダで生活されているのでインドを客観的に描けたのかなと思いましたが、映画の内容としては普遍的なテーマを扱っておられますね。

監督:おっしゃる通り、ストーリーはとても普遍的なものです。経済状況とそれに立ち向かう精神性は、人類同じだからです。そして私は、インドとカナダの両方で生きていますし、ヒンドゥー語も話せます。インドでは人間のいちばんいい所と、いちばん悪い所の両方を見ることができるわけですが、どんなに劣悪な状況だろうと前向きに生きる優しい人たちに出会ったというのも私の体験です。すべては神のご意思だと考え、彼らは生きていました。恵まれた環境で育った人間よりインドの人たちの方が体も心も頑健であるということを目の当たりにした時、私は混乱しましたが、彼の心の中にある慈悲、慈しみの心に的を当てた作品を作りたいと思いました。インド人監督がこういう映画を作ったら、また別の視点になったかもしれませんね。

 

Q:ピンキーという妹の描き方も面白かったです。兄の不在をあまり哀しんでないんだけど、手紙も書くしスマホも扱えるし、ものすごく役に立つ。あのすごさというのは、次世代への期待ということでしょうか。

監督:ああいった家族の状況は、世界中どこでも一緒だと思います。我が家もそうで、うちの父親はビデオデッキの操作もできませんので私がしています。ここに登場する子ども達がどれだけたくましく、したたかに生きているか。最後の方で子どもたちが一瞬立ち止まった後、またクリケットの遊びを再開するシーンでもそこを表現しています。彼らはそういう選択しかなかったわけです。

 

Q:辛い話ですが、インドの活気が伝わるステキな作品だったです。今、日本にも歌や踊りのないインド映画のすぐれた作品が入ってきているんですけど、インド国内における反応や需要はいかがですか?

監督:実は、この映画はまだインドでは上映されていません。インド映画産業界の力が強すぎるからという経済的な理由です。ただ国際映画祭で上映した際には、高評価を得ています。ただし、世界中でひとつだけ、ヒンドゥスタンタイムズというインドの新聞社には「インド人を優しく描きすぎている」とケチをつけられましたが、むしろ誇りに思いました(笑)。

 

Q:最後、主人公にアドバイスする役割をそれまで一度も登場しない彼の父親にしたのは、どういう意図ですか。

監督:主人公は神を信じて生きているので、どういう状況だろうと神の意思という結末になってしまう。それでは話が終わってしまいます。大事なのは、主人公の周囲の人に「探すのをやめよう」と言わせないことだったんです。ただ主人公が唯一恐れていたのが彼の父親です。それは世界に共通すると思いますし、インドのような父権主義的な社会では尚更です。探索の旅をやめなければならない段階にある主人公に慈悲の心を持って事実を受け入れて欲しかった。だから父親を登場させたわけです。

 

Q:前作も見せていただいたんですけど、観ている人を引き込むストーリーがとても印象的です。最近では、監督はSF映画を撮られたとお聞きしたんですがどういう経緯で? また今後、インドのボリウッドで映画を撮って欲しいという話がきたら、どうされますか?

監督:ありがとうございます。今、いらっしゃる観客の中で私の前の作品を観た唯一の人だと思います(笑)。前作はYouTubeに出ていますので良かったら楽しんでください。確かにハリウッド映画の俳優らと一緒にサイエンスフィクション(SF)映画を作りました。実は大好きなジャンルなんです。この映画でもSF的なアプローチをしているんですよ。観る人はインド人じゃない方が多いと想定していたので、最初はよその惑星に行ったというような感覚を持ち、ある時点で観客達が自分の物語への入口を見つけ始める、そこがポイントだったんです。そういうことを観客に仕掛けるのがSFだと思っています。ボリウッド映画は今のところわかりません(笑)。もっと得意な監督がいるでしょうから。

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梁木ディレクターのここが見どころ!⑥ 【シッダルタ〈インド/カナダ〉】

 
これがインドの現実

行方不明者を捜すというインド映画が、けっこう目につきます。きっと実際に行方不明が多いからでしょう。デリーでジッパーを修理して細々と生活しているマヘンダル。苦しい家計の足しにと12歳の息子を遠方の工場に働きに出す。ところが、期限が過ぎても息子は帰ってこない。いても立ってもいられない父親は、自分で息子捜しの旅に出る。頼れる人もお金もない。貧しくて、息子も写真もない。そんな父親が愚直なまでにひたすらさまようその姿に、インドの現実の厳しさがひしひし伝わってきて、祈るような気持ちでスクリーンを見つめてしまいます。

インドの現実を何とかしたいという思い加えて、この現実はどうしようもないけれど、人間への信頼だけは失いたくないという覚悟が伝わってきます。素直に感動します。



【上映作品紹介はこちら
 

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【FOCUS ON CINEMA】聖者の谷(インド・アメリカ)Q&A

撮影監督:ヨニ・ブルック

 

 

 

日本初公開の今作。多くの問題が進行中のインド・カシミール地方。その中から環境についてフォーカスしつつ、現地の若者の視点から描いた「聖者の谷」について、ムーサー・サイード監督と常に行動を共にする撮影監督、ヨニ・ブルック氏が語ってくれました。

 

Q:どのような経緯でこの作品を撮ることになったのですか?

A:監督のムーサーと私はニューヨーク大学の同級生で、これまで3本のドキュメンタリー映画を一緒に作っています。ムーサーは両親がカシミールの出身ですが、彼自身はアメリカ生まれ。今まで、カシミールについては沈黙を守っていたのですが、数年前、ムーサーが自分のルーツを探るために映画を撮りたいと言い出し、私たちは企画を練りました。当初は20~30人の撮影クルーを組んで、アメリカから現地に渡る予定でしたが、2010年にカシミールで大きな暴動が発生。元々の脚本を取り下げ、ムーサーと私、もう一人、わずか3人で現地に渡り、実際、物語の舞台となったダル湖で生活しながら、撮影を進めていきました。

 

Q:役者さんたちの演技がとても自然です。また、美しいはずの湖がゴミで荒れている様子をきっちりと描いているところに強い印象を受けましたが……?

A:ストーリーはフィクションですが、実際に出演している俳優さんはそこに住んでいる素人です。アメリカからやって来た若い水質調査者の女性役のみがプロの俳優です。主人公のグルザールも実際にダル湖の島に住み、観光ボードをこいで生活していました。皆さん積極的で、俳優業以外にも現地の交通の手配や料理など、村中で私たちを歓迎してくれました。ダル湖は有数の景観地ですが、環境汚染という全員に共通する問題をそこに住まう人々の生活、例えばゴミなど……を通して描きたかったのです。

 

Q:現地の若者はこの映画のように都会に出て行きたいと思っているのでしょうか?

A:出て行きたくても地元を離れるのは大変難しいのが現状です。たとえ高学歴で外国の大学の奨学金をもらえたとしてもです。実際、この映画を作った後、私たちは数々の国際映画祭に招待されました。しかし主人公のグルザールがパスポートとビザを取り得たのは1年後です。私たちは撮影中、軍隊による戒厳令がしかれ、この地域で生活するというリアルな経験に恵まれました。それほど、国外に出ることが困難なのです。しかし、多くの若者が地元に対し、情熱と誇りを持っており、地元に残って、希望を持って自分の国を良くしていきたい、という想いを私は強く感じました。

 

今後、ムーサー監督と共にアメリカ・イエメンで2本の映画を製作予定とのこと。再び、アジアフォーカスで作品が観られることに期待が高まります。

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【FOCUS ON CINEMA】シャンハイ(インド)Q&A

プロデューサー:プリヤー・スリーダラン

 

今年最多3作品のインド映画の中で、トップバッターを飾ったのが「シャンハイ」。「インド映画なのにタイトルはシャンハイ……?」と言われるこの作品の魅力を、プロデューサーのプリヤー・スリーダラン氏に尋ねました。

 

Q:1960年代、ギリシャの小説で映画化された「Z」が原作だそうですが、どれぐらい、インドの史実に基づいているんですか?

A:60年代、ギリシャでは資本主義と共産主義の対立が起こりました。そのコンセプトは取り入れていますが、ストーリーは全くフィクションです。しかし、ここで描かれているのは「経済的発展とは何か? 誰の為の発展か? 発展の定義とは?」ということ。経済的に豊かになれば、人々は本当に幸せになれるのか? という課題をバナルジー監督は観客に突き付けています。例えば、中国・上海ですが発展途上国が急激な経済成長を遂げましたよね。素晴らしいことです。しかし裕福な人と貧しい人との格差社会が新たに生まれたのも事実です。実際、インドでは現在かつてないほど、上海のように経済発展させようという動きが広まっていますので、タイトルは「シャンハイ」としました。

 

Q:物語に主要な主人公の男性3人出てきますよね。母国ではどんな立場ですか?

A:皆さん、大スターです。難しいテーマをそれぞれの役柄の立場から研究し、見事な役作りを行ってもらいました。インドでは現在、大規模な民主主義を実行していますが、宗教、人種、様々な課題が盛りだくさんでとてもスピードが追いついていません。しかし、以前よりもインドでは国民が政治に関心が目覚め、投票権がある国民自身に今後の政治を良くしようという思いが芽生えています。今後の民主主義を担うのは、自分の手にある……そして真の経済発展とは何か?それを考えるのも国民自身という課題を、この映画では突きつけ、そして観る者に解釈をゆだねているのです。

 

リアリティあふれるインドの今、の描写に深く見入っていた観客。Q&Aも時間が足りないほど、多くの意見が飛び交った充実した時間となりました。

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梁木ディレクターのここが見どころ「シャンハイ」(インド)


インドの地方都市バラトナガール。何十億ドルもの資金がインターナショナル・ビジネスパーク計画に注ぎ込まれ、街は第二の上海になるべく熱狂していた。

いささか定番のきらいはありますが、インドの土地開発と政治の腐敗を暴く、いかにも今のインドらしい作品です。土地開発に反対する政治活動家……。そこに殺人事件が。真相を究明し、その政治的腐敗を暴く者たちは、権力者と激しくぶつかり合いながら、権力につぶされてゆく……。そして次第に事件の真相が明らかになっていく。往年の政治映画コスタ・ガブラスの名作「Z」が下敷きになっています。「Z」のような洗練されたテイストではなく、あくまでもインド的泥臭さと群衆のヒステリックなリアリティーが見どころでしょうか。

作品情報はこちら↓
http://www.focus-on-asia.com/lineup/film13_07.html

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梁木ディレクターのここが見どころ「聖者の谷」(インド/アメリカ)

この監督はアメリカ生まれではありますが、インド、カシミール地方にルーツを持っていて、その故郷を美しく詩的な映像で描くいわば理想化された映像詩であると同時に、外国人の立場から、故郷の惨状に鋭いメスを入れて、非常に現代的な社会問題をも描いています。移民の子孫だからこそ描ける視点の作品ですね。希望の見えない故郷に行きづまり、見切りをつけ、年老いたおじを残してカシミールを去ろうとする主人公に「逃げずにそこでがんばれ」と、いうメッセージを送っています。

監督は、湖の環境問題に焦点を当て警告を送りながら、主人公の人生に対する心境の変化を美しく描いていて、西欧の映画のように洗練された語り口で、アジア映画になじみのない人にも鑑賞しやすく、お勧めです。カシミールの美しい景色に身をおいて楽しみませんか。

作品情報はこちら↓
http://www.focus-on-asia.com/lineup/film13_11.html

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梁木ディレクターのここが見どころ「血の抗争」(インド)


これは、インド版〝仁義なき戦い〟、〝ゴッドファザー〟です。Part1とPart2のあわせて5時間20分の大長編ドラマですが、ハマってしまったらやめられない……おもしろくて2部まで一気見してしまいます。実話に基づいて製作された作品で、対立するKhanファミリーとSinghファミリーの三世代にわたる抗争を描いた、超スペクタル復讐劇で、世界中で公開され、評判を呼んでいます。

ドラマは1940年時代から。当時、イギリス植民地支配で炭鉱開発が展開され、その後インド独立でその利権を手に入れたSingh。Singhの手下だったKhanはボスを殺して炭鉱を奪おうと考えるが、それを覚られてSinghに殺される。その息子Shadarは、Singhの弟分に助けられ、孤児として育てられる。そして20年後、大人になったShadarは、父親の敵討ちをしようと、財と権力で地域を牛耳るSinghファミリー(父と息子)の支配する街を血の海にしていく。第1部のラストはShadarが逆襲にあい、撃ちまくられ血まみれになっているが立ち上ろうとする……と、すさまじいけど、カッコいい……そんな場面の連続です。「仁義なき戦い」ファンなら泣いて喜ぶことうけあいです。

作品情報はこちら↓
http://www.focus-on-asia.com/lineup/film13_01.html

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8月25日 ディーパ・メータ エレメント3部作一挙上映です!(プレイベント情報)

8月25日に福岡市総合図書館映像ホール シネラ にて、ディーパ・メータ監督のエレメント3部作を一挙上映いたします。インドからカナダへ移住した監督が故郷インドを舞台に描いたこれらの作品は、2007年にアジアフォーカスで「ディアスポラのアジア」と題して特集上映され、貴重な三部作一挙上映の機会となりました。インドは監督の故郷であり、映画製作の根源となった場所、そして映画製作そのものを可能にしてくれたカナダという第二の故郷。故郷から離れて故郷の問題点をえぐりながら、美しく感動的な作品となっています。今回、プレイベントとして、再度この三部作「炎」・「1947年 大地」・「とらわれの水」を上映いたします。どうぞこの機会にお見逃しなく。

とらわれの水

とらわれの水

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