アジアントリビア

そのエネルギーを他で使えば…「EIGHTEEN 〜旋風」

テレビで韓国映画「EIGHTEEN ~旋風~(회오리 바람)」をやっていて、「凍てつく夜に」のドンユン、ソ・ジュニョン君が主役だわと思いながら見ていたら、これが昨年のアジアフォーカスで上映された作品だということに後から気づいたのでした…。

18才の多感な主人公テフンとミジョン。進学を控えた高校3年生…でも韓国では数え年を使うので18才と言えば高校2年生の話になります。ミジョンのお父さんが言ってますが「出身大学で人生の9割は決まる」くらい厳しい学歴社会の韓国では、高校2年でも3年でも大学進学のためにひたすら勉強する時期で、それは日本以上に過酷かもしれません。

でもそんな厳しい現実に悶々とした中、高校生も恋愛はする訳で、テフンとミジョンも100日記念日を迎えます。韓国の方って、記念日が好きですよね。つき合い始めてから100日目というのは、特に重要視するみたいで、何かしらのサプライズイベントを男性が用意します。最近ではイベントを代行する業者もいて、あらゆるシチューションのイベントを代行してくれるみたいです。金額もピンキリ。大切な日を数えまちがえないように、携帯にはつき合ってからの日を教えてくれるカレンダー機能(アプリ)は必須。100日記念の話を聞くたびに、3カ月ちょっとの100日つき合ったことがそんなにすごいことなのか?と突っ込みを入れたくなるのですが…(笑)

記念に二人は親に内緒で、東海(日本海)へ旅行。離れがたい気持ちを持ちながら帰宅。男のテフンは友達を理由にごまかしますが、女性のミジョンはそうはいかず、すぐにばれて父親の逆鱗にふれることに。テフンと両親を自宅へ呼びつけます。このお父さんが怖いのは、子どもたち二人別々に旅行中の行動をすべて書かせ…笑いながら和やかに話をしてるのだけど、二人のレポートに目を通しながら嘘がないかを詰めて行きます。嘘がばれたときの変わりようが怖いったら…「血と骨」を思い出しました。テフンには潔白なら俺を刺せって言うし、自分の娘は売女呼ばわりして一緒に死のうとまで…この激しさって韓国の父親の愛情表現の一つの形でしょうか?

大学に入るまで会わないという「誓約文」を書かされてどんなに反対されても、彼女とのことしか考えられずじたばたするテフンに対して、少し先をみて歩き出したミジョン。この頃って見えてる世界が狭くって、それが永遠に続くみたいに思ってしまうけれど、実はあっという間に過ぎるから…と甘酸っぱい気持ちで二人を見ていました。

原題の「회오리 바람」は「つむじ風」。諦めず行動するテフンを見ていると、もっとそのエネルギーを他に使えばいいのにと思ってしまいます(親目線でしょうか?)が、そんなテフン、竜巻ではない「つむじ風」…言い得て妙でしょ!

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韓国の今が垣間見える「アンティーク~西洋骨董洋菓子店~」

少し前にアップした韓国映画「キッチン」の制作会社が作った「アンティーク~西洋骨董洋菓子店~」(2008年)。原作はよしながふみさんの漫画「西洋骨董洋菓子店」ですね。日本ではドラマ化されています。

道楽でお菓子屋をやっている単なるおぼっちゃんのチャラ男と思っていたけれど、実は心に深い傷もつ主人公と、そこに集まってきた3人の男性。私は漫画にもドラマにも手をつけずにこの作品を見ました。見た印象は…なんてイケメン揃い…おしゃれでかるくて、いつも見ている韓国映画と違う!日本の漫画が韓国で映画に…しかもゲイを取り上げてこんな作品になるなんて…そんな思いでとても新鮮でした。

韓国ではいまだに、地上波で日本語の歌を放送する事に規制が入るそうです。でもネットを通じて日本の歌はたくさん聴かれていますし、日本の歌をカバーという形でテレビでも多くの歌手が歌っています。ドラマや映画にしても日本のものが原作という作品も多く、他の国のものを自国のものにアレンジするのがうまいなといつも思います。

ゲイに関して言えば、韓国はこのようなマイノリティには、特にテレビ番組などでは厳しいという認識でした(実際おねえ系のタレントを見た事がありませんでした)。韓国のある番組で、異性愛者の事を「一般人」と呼ぶのに対して、同性愛者を「二般人」と呼ぶと言っていました。なんだか差別的な呼び方だと思いますが、今では普通の使い方になっているそうです。それくらい韓国でもオープンになったということでしょうか。

似ているようで全く違う韓国のいろいろに最近どっぷり浸かっている私が、この映画を通して感じたことです。漫画を読んだ人も、読んでない人も、韓国のイケメン事情を…じゃなかった、それぞれの思いを抱えたちょっと不器用な男性4人が織りなす甘い世界を感じてみてください。

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日・韓・米を比較する!?「猟奇的な彼女」

私の好きな韓国映画のひとつ、「猟奇的な彼女」(英題:My Sassy Girl)。

2001年の作品なので10年前の作品だけど、いつ見返しても猟奇的な彼女を演じたチョン・ジヒョンはフレッシュでキュートな魅力いっぱいで、心ならずも彼になったキョヌ役のチャ・テヒョンも、さえないけれどなんとなく癖になってしまうキョヌそのものでした。

映画の中では、そこに暮らす人たちの生活が見えて興味深いものですが、この映画でもいろいろ…。そのひとつ、キョヌは兵役を終えて大学に復学する設定です。兵役…韓国では30才になるまでに約2年間兵役につく義務があります。韓国芸能界でも芸能活動中の2年間離脱は大きいので、この兵役時期は話題になりやすく、スターの入隊・除隊記事をよく目にします。キョヌのように大学在学中について復学というのが一般的ではあるようです。日本では想像できない悩みですよね。

それから彼女のお父さんとお酒を飲むシーン。韓国では目上の人とお酒を飲む場合正面きって飲んだりしてはいけません。つがれた杯を横を向いてグビッと。韓国マナー本などでは読んでいても実際に見たのはこの映画でのこのシーン。本当にわざわざ向くんだ…と妙に納得したものです。しかも向いた方向に彼女の母親がいたものだからさらに逆向きへ…。そっちにも年上がいたらどうなるんだろう…とふと思ったのは言うまでもなく…。

この映画の原作は1999年からパソコン通信「ナウヌリ』に連載されたネット小説なのだそうです。それが人気になって本になりベストセラーに。(Wikipedia参照)早い時期からネット普及率の高い韓国ならではですね。

韓国では「バラードの皇帝」とよばれるシン・スンフンが歌った主題曲「I believe」も忘れられません。切ないシーンをさらに盛り上げるんですよね…。これを聞くと「キョヌ、ミヤネ〜(キョヌ、ごめんね)」のセリフをついつい口にしてみるという…。

この映画はハリウッドでもリメークされています。ただリスク回避のためにアメリカでも日本でも劇場公開はされず「My Sassy Girl」日本では「猟奇的な彼女 in NY 」というタイトルでDVD発売のみとなりました。

内容はほとんど韓国版と同じです。まさかお父さんの前で横向いてお酒飲んだりはしませんけど…。セリフも「キョヌ、ミヤネ〜」が「チャーリー、I’m sorry〜」といった具合。そして、私はやっぱり同じところで涙するのですね〜。ハリウッド版の方が韓国版より説明的になってます。韓国版ではついに、彼女の名前はでてきませんでしたが、ハリウッド版は最初から設定されていますし…。劇場公開されなかった作品ですが、比較しながらこまごま観ると面白いと思います。

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優しく切ない言葉…「君のためなら千回でも」

アフガニスタン・カブール出身のカーレド・ホッセイニの小説を原作とした2007年のアメリカ映画ですが、舞台は70年代80年代のアフガニスタン。アフガニスタンといえば、タリバンしか浮かばないという非常にとぼしい知識の中で観た映画でした。1979年のソ連によるアフガニスタン侵攻と日本人の私たちにはわかりにくい複雑な人種問題がベースにあります。

まだ美しく活気にみちたアフガニスタンで成功した父のもと、何不自由なく暮らすアミール少年とそこで父親と共に召使いとして働いていたハザラ人のハッサン。それでも同世代のアミールとハッサンはいつも一緒の兄弟であり、親友でもありました。 続きを読む

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オッパ~と呼ばれたい!?「キッチン ~3人のレシピ~」

最近韓国にどっぷりはまっている私は、当然のように毎日韓国のいろいろ(映画、ドラマ、雑誌などなど)にふれているのですが、見れば見るほど、知れば知るほど韓国との文化の違いにかる~いカルチャーショックとますますの興味を抱くわけです。

韓国は儒教の教えがまだ色濃く残り、お年寄りや両親を大切にするというのはよく知られていますね。年上の方に対する言葉遣いにも敏感。

呼び方もいろいろで、先輩なら○○先輩(ソンベ)と言ったりしますが、一般的には男性なら年上の男性を呼ぶときは「兄(ヒョン)」女性なら「姉(ヌナ)」。女性が年上の女性を呼ぶときは「姉(オンニ)」、男性のときは「兄(オッパ)」で、特にこのオッパという呼び方は恋人時代でも結婚してからも使ってます。韓国の男性はかわいい年下の女性から「オッパ~」と呼ばれたいらしい…。

ややこしいのは本当の兄弟姉妹でもこの呼び方を使うので、最初韓国映画などを観ていると何人兄弟がいるんだ?と思ったこともありました。

さてこれを踏まえた上で…韓国映画「キッチン ~3人のレシピ~」(2009年)

モレとサンインの夫婦とその家に料理の先生としてやってきたドゥレの3人が描き出すおしゃれでかわいい映画ですが、この中で天真爛漫な女性モレは夫サンインのことを普通の奥さんが呼ぶ「オッパ」ではなく「ヒョン」と呼ぶんですね。前述の通りヒョンは男性が使う呼び方…。

この呼び方はおかしいとドゥレもサンインに尋るシーンがありますが、まさに韓国文化に触れ始めた私も最初は少し違和感がありました(笑)

モレにとって、小さい頃から一緒に遊んでいた(くっついて回っていた)大切な兄のような人だから普通に恋人やだんなさんを呼ぶオッパではなくあえてヒョンを使う…天真爛漫なようでとても繊細な彼女のこだわりがそこに見えます。夫への特別に深い愛情も…。

ただの呼び方ではありますが、韓国での呼び方の違いを知っているとちょっと感じ方が違うかもしれません。日本語字幕ではこのへんの細かい区別はないと思うので、ぜひモレが呼ぶ「ヒョン」をチェックしながら観てください。甘く心地いい響きです。

甘く心地よいと言えば、モレとドゥレの最初の出会いでのラブシーン。まぶしい日差しの中…久々に美しいラブシーンをみました…必見です!

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