アジア映画と文学

日本映画「ウタヒメ」と韓国ドラマを比較してみよう!

「ウタヒメ 彼女たちのスモーク・オン・ザ・ウォーター」(2012年 監督:星田良子)を観てきました。
「崖っぷちの女たちロックバンドやっちゃいます!?」のコピーのとおり、様々な問題を抱えているアラフォー主婦たちがロックバンドを結成、ライブに参加するまでのお話です。主演には黒木瞳、真矢みき、木村多恵、山崎静代。
ディープ・パープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」がタイトルにもなっていますが、主題歌はZARDの「あの微笑みを忘れないで」です。

テレビCMを目にした時、思い出したのは韓国ドラマ「カムバックマドンナ~私は伝説だ」
こちらも4人の女性が今のウップンをはらすようにロックバンドを組んで、困難にぶつかりながらもバンド活動していくごとに輝いていきます。

 

「ウタヒメ」のリーダー美恵子(黒木瞳)はなんでも卒なくできて完璧なはずなのに、なぜかいつも空回り…絵に描いたような理想的な主婦のはずが、夫にも娘にも自分が見えてないみたい…。がむしゃらに練習してライブに参加して自分にもロックな一面があるところを見せたい。

一方、「カムバックマドンナ」のリーダーソルヒ(キム・ジョンウン)は韓国を代表する法律事務所の若奥様。結婚後まったく自分にふり向いてくれない夫、常に釣り合わない家柄を持ち出し口うるさく監視する姑。理想の結婚のつもりが、自分の居場所が見つからず夫のうわきも相まって離婚を決意…そして自分らしさを取り戻す為に昔の仲間とバンドを結成。
日韓の今の自分になんとなく違和感を感じているそれぞれ4人の女性たちが、ひとつのハードルを飛び越えて輝いてく。そのフィルターがロックバンドなんですが、似てるでしょ?

最初に「ウタヒメ」を知った時、「カムバックマドンナ」のリメイクかと思ってしまったくらいです。でも「ウタヒメ」には原作本、五十嵐貴久『1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター』(双葉文庫)があるそうなので、この本もチェックしてみよう…。

 

 

「カムバックマドンナ」の方はドラマ(全16話)なので、ロックバンドのシーンだけではなくお話が多岐にわたりますが、それでも演奏シーンが売りのドラマです。
「ウタヒメ」のラスト、演奏シーンはさすが宝塚!サマになってましたよ〜。
バンドを組むかは別として、どちらも抱えている悩み不満、登場人物には、うんうん、あるある、こんな人いる〜と突っ込みのひとつもいれたくなるようなリアルな内容です。

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”韓国ニュー・ウェーブ、再発見”映画上映のお知らせ

―歴史が動くとき、映画は生まれる― 韓国ニュー・ウェーブ、再発見

1980年代、表現の自由を求め、新しい映画の時代が幕開けようとしていた

韓国国民俳優アン・ソンギ主演の名作が、今スクリーンでよみがえる

本邦劇場初公開!!『風吹く良き日』 【福岡】中洲大洋 4月7日~

監督・脚本:イ・ジャンホ 出演:アン・ソンギ、イ・ヨンホ、キム・ソンチャン、ユ・ジイン、キム・ボヨン

【1980/韓国/カラー/シネスコ/113分】 (C)東亜輸出公司

第19回(1980)大鐘賞―監督賞(イ・ジャンホ)・編集賞・最優秀新人賞(アン・ソンギ)

第17回(1981) 百想芸術大賞―大賞・作品賞・男子新人演技賞(キム・ソンチャン

23年ぶりのリバイバル上映!!『鯨とり ナドヤカンダ』 【福岡】中洲大洋 4月14日~

監督:ぺ・チャンホ 出演:アン・ソンギ、キム・スチョル、イ・ミスク、イ・テグン

【1984/韓国/カラー/シネスコ/112分】 (C)黄奇性事團

第4回(1984) 映画評論家協会賞―最優秀作品賞・監督賞(ペ・チャンホ)

第20回(1984) 百想芸術大賞―大賞・作品賞・新人演技賞(キム・スチョル)

第1回(1985) 東京国際映画祭出品作品

【作品情報】http://kazetokujira.com/

配給:太秦 配給協力:アジア映画社 特別協賛:アジア市場、(株)大山 後援:在日本大韓民国民団中央本部、在日韓国人連合会 協力:クリエイティブアクションズ発見の会、コンポラリーナティヤム

6/18(土)新宿K’s cinemaにて時を超えて連続ロードショー‼【北海道】札幌・シアターキノ 【新潟】シネ・ウインド 【神奈川】横浜シネマジャック&ベティ 【大阪】シネ・ヌーヴォ 【京都】京都みなみ会館 【福岡】中洲大洋劇場 http://www.nakasu-taiyo.co.jp/eiga.html#kazehuku

【沖縄】桜坂劇場  他全国順次公開

 

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アジアフォーカス言いたか放題 「すばらしき大世界」(シンガポール)

この映画他の所では、私もコメディーとかラブコメディーとか言っちゃってますが、実は最後に結構ずしーーーーーーんときちゃいます。「笑いと涙の感動巨編!」なんて良く言いますが、この映画も最後は結構涙あふれちゃいます。でも、その涙も単なる感動の涙という訳ではなく、日本人の場合は悔悛の涙と申しましょうか。シンガポールの人だったら怒りの涙と申しましょうか。観る人によって流す涙の種類が違うのではないかと思います。



もちろんそこに至るまでは、楽しく笑えて、しかも感傷的でノスタルジック、昔懐かし型のとても素敵な映画です。舞台装置もなかなか興味深く、とりどりの色彩が美しい。例えば、フランシス・フォード・コッポラ監督の「ワン・フロム・ザ・ハート」やバズ・ラーマン監督の「ムーランルージュ」などといった映画がありましたが、そんな幻想的で鮮やかな舞台装置にイメージがダブります(もうちょっとアジア的である意味安っぽい感じですが、そこがまたいい味出してます。やはり日本とよく似てます)。ミュージカルではないけれど、音楽にあふれ、人生喜怒哀楽的な盛り上がり感がいっぱいです。

脇役でレストランの従業員達が沢山出てきますが、彼らもまたいい味出しちゃってます。なんてすばらしいのでしょうか人間って、僕もこうありたいものだ、と思っているところに、あーらら、そんなに酷いことを、同じ人間なのに。とにかく日本人ならば、最後まで目を見開いてみることをおすすめします。忘れていた、目をそらしていた色んな事を思い出すかもしれません。

YouTube Preview Image

大発展を遂げているシンガポールも、発展したからこそ、こんな映画を創り、観る心境になってきたんだろうなあと思います。ちょっと過去を振り返って今の自分たちを確かめるような。

人の優しさや希望、思い出や歴史、形にならない沢山の価値、あくせく働いてきた私たち現代人が追い求めてきたもの、これから追い求めるべきものって一体何なのでしょうか。そんなことまで考えさせます。どなたにもおすすめできる名作です。ky

上の動画が見られない方は下の福岡チャンネルでご覧ください。

http://www.youtube.com/user/Fukuokachannel#p/c/0/wW4K46kMuHM

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アジアフォーカス言いたか放題 冬休みの情景(中国)

かっくいーっ!しびれるううう。ていうか本当にからだがしびれるぜ。最後まで観たらわかりますけど。ていうか耳がつんざけルていうか。こんな音楽ありっっすか先生?かなりぶっ飛んでますぜあなた。NHKアジア・フィルム・フェスティバルで、すでにごらんになった方もいらっしゃるかもしれませんが、真面目にみてると、なんじゃこらああ、なめてんのかいわれえ!的なかっこよさがありますです。音楽サイコ-。掛合サイコ-。不思議さ炸裂。失笑必至。これってお笑い映画なのかい。かなりあばんぎゃるどなんだけど。

まず舞台が変な感じ。なんかよくわかんないけど、地球じゃないどっかの、でも中国の田舎ぽい、モンゴルっぽい、でもやっぱかなり架空の名前の無い街。なんかうっそぽいとこ。リアルなんだけど、書き割りっぽく見えてしまうところに、毛糸帽頭の少年達がたくさんでなく少しだけいます。女の子もほんの少しだけでてきたり。でも全然恋愛なんかもありえない雰囲気で。いっつも微妙な曇りゾラで乾いてて薄暗くて、変な音が聞こえてきて。架空現実少年譚とでも言いましょうか。じいちゃんも出てきますけど。彼らの表情の不思議。掛合の変具合。かぜがひゅうっうう、と吹き抜けていく、ぽつねんとした空間とか間合いとか。とっても素敵な変さ加減が来ちゃってます。

ストーリー云々なんて、プロット云々なんて、感動うんぬんなんて、中国現代社会のかんぬんなんてかんけいないし。映画の新しい可能性というと言い過ぎですが、普通の映画から普通の映画らしいところをどんどん引いていったら出来ちゃった、的突然変異さんいらっしゃい!って感じです。わかんないですよね。つまり言ってみれば、ちょっとした映像詩なのかもしれません。

カタログに掲載するために監督達からメッセージをいただくのですが、リー・ホンチー監督のメッセージはかなり”きてます”です。過言では無く。まるで映画そのものの意味不明さは、本気なのか(ごめんなさい監督)それとも、世の中をあざ笑うがごとく、茶化しきっちゃってるのか。とにかくへいへいぼんぼんへいぼんぼんな暮らしと頭脳と家庭と仕事と父と母の私めにはさっぱーりわかりまひえーん。でも某詩人の先生にお見せしたところ「判るよ。判る。うんうん。かれの言いたいことは。うんうん。」なんてもっともらしく言い切られたりして。僕ってたんなる鈍感野郎なんだろうなあって、ちょっと悲しくなったほどすごい監督メッセージでした。

だからそんなすごい、ありがたいかも的な、お言葉も掲載している、カタログも是非購入のためクリック・クリックしてください。あ、まだネットでは売ってませんので、映画祭がはじまったら、「あの変な監督メッセージのったやつくださいっ是非是非っ!」って所望されると1000日本円(100円10枚でも全然オッケー)ときっかし1冊の豪華フルカラー二カ国語カタログと間違いなく交換可能な状態にこぎ着けたいと考えておりますので一家に一冊どうぞ。不思議好きさん歓迎します。ky

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日・韓・米を比較する!?「猟奇的な彼女」

私の好きな韓国映画のひとつ、「猟奇的な彼女」(英題:My Sassy Girl)。

2001年の作品なので10年前の作品だけど、いつ見返しても猟奇的な彼女を演じたチョン・ジヒョンはフレッシュでキュートな魅力いっぱいで、心ならずも彼になったキョヌ役のチャ・テヒョンも、さえないけれどなんとなく癖になってしまうキョヌそのものでした。

映画の中では、そこに暮らす人たちの生活が見えて興味深いものですが、この映画でもいろいろ…。そのひとつ、キョヌは兵役を終えて大学に復学する設定です。兵役…韓国では30才になるまでに約2年間兵役につく義務があります。韓国芸能界でも芸能活動中の2年間離脱は大きいので、この兵役時期は話題になりやすく、スターの入隊・除隊記事をよく目にします。キョヌのように大学在学中について復学というのが一般的ではあるようです。日本では想像できない悩みですよね。

それから彼女のお父さんとお酒を飲むシーン。韓国では目上の人とお酒を飲む場合正面きって飲んだりしてはいけません。つがれた杯を横を向いてグビッと。韓国マナー本などでは読んでいても実際に見たのはこの映画でのこのシーン。本当にわざわざ向くんだ…と妙に納得したものです。しかも向いた方向に彼女の母親がいたものだからさらに逆向きへ…。そっちにも年上がいたらどうなるんだろう…とふと思ったのは言うまでもなく…。

この映画の原作は1999年からパソコン通信「ナウヌリ』に連載されたネット小説なのだそうです。それが人気になって本になりベストセラーに。(Wikipedia参照)早い時期からネット普及率の高い韓国ならではですね。

韓国では「バラードの皇帝」とよばれるシン・スンフンが歌った主題曲「I believe」も忘れられません。切ないシーンをさらに盛り上げるんですよね…。これを聞くと「キョヌ、ミヤネ〜(キョヌ、ごめんね)」のセリフをついつい口にしてみるという…。

この映画はハリウッドでもリメークされています。ただリスク回避のためにアメリカでも日本でも劇場公開はされず「My Sassy Girl」日本では「猟奇的な彼女 in NY 」というタイトルでDVD発売のみとなりました。

内容はほとんど韓国版と同じです。まさかお父さんの前で横向いてお酒飲んだりはしませんけど…。セリフも「キョヌ、ミヤネ〜」が「チャーリー、I’m sorry〜」といった具合。そして、私はやっぱり同じところで涙するのですね〜。ハリウッド版の方が韓国版より説明的になってます。韓国版ではついに、彼女の名前はでてきませんでしたが、ハリウッド版は最初から設定されていますし…。劇場公開されなかった作品ですが、比較しながらこまごま観ると面白いと思います。

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