これがインドの現実
行方不明者を捜すというインド映画が、けっこう目につきます。きっと実際に行方不明が多いからでしょう。デリーでジッパーを修理して細々と生活しているマヘンダル。苦しい家計の足しにと12歳の息子を遠方の工場に働きに出す。ところが、期限が過ぎても息子は帰ってこない。いても立ってもいられない父親は、自分で息子捜しの旅に出る。頼れる人もお金もない。貧しくて、息子も写真もない。そんな父親が愚直なまでにひたすらさまようその姿に、インドの現実の厳しさがひしひし伝わってきて、祈るような気持ちでスクリーンを見つめてしまいます。
インドの現実を何とかしたいという思い加えて、この現実はどうしようもないけれど、人間への信頼だけは失いたくないという覚悟が伝わってきます。素直に感動します。
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