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ハリキにしやがれ! Vol.2 ~アジア映画の裾野が広がった!その理由は~

アジアといっても、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教など、さまざまな普遍宗教の影響下にある地域が含まれているわけです。これまでさほど注目されてこなかった地域で、優れた作品がつくられるようになると、台風の目が広大なアジアを次々に移動しているようで、すそ野が広がったように感じられるのかもしれません。

以前から知られている日中韓、台湾、香港など東アジア諸国や映画大国インドを除けば、アジアフォーカスでもおなじみのイラン映画が注目され、最近ではトルコ映画の力強い台頭や、マレーシア映画の新しい波が目立ってきました。さらに商業映画のマーケットが確立しているタイが、娯楽映画ばかりでなく、カンヌでパルム・ドールを受賞するほど質の高い前衛的な芸術映画で、俄然、表舞台に躍り出てきました。

またベトナムのダン・ニャット・ミンやインドネシアのリリ・リザ、スリランカのプラサンナ・ヴィターナゲー、フィリピンのブリヤンテ・メンドーサなど、コンスタントにすぐれた作品を発表し続けている監督がアジア各国に点在することも、アジア映画のすそ野が広がる要因かもしれません。

かつてはアジアでも、若い映画作家たちが徒党を組んで、自国の遅れた映画の改革を目指すという現象がありました。そういう状況は、中国の第5世代の監督たちや、台湾ニューウェーブなど、経済的に上向きになる社会状況を背景として、さまざまな国に生まれました。最近では、マレーシアにそういうニューウェーブの動きがあります。

昨年「水辺の物語」で来福したウー・ミンジンや、今年の「趙夫人の地獄鍋」のジェームス・リーなどは、そういうところから頭角を現しました。

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