Focus on Cinema

【Focus on Cinema vol.3】「アジア映画文化フォーラム」第二部

観客の視点や価値観を変えることができるのが映画
9月18日(日)に開催されたアジア映画文化フォーラム。その第二部のテーマは、「アジア的ホラー・コメディの可能性」。司会の映画専門大学院大学の深尾淳一さん、パネリストの「ピノイ・サンデー」のウィ・ディン・ホー監督と「歓待」の深田晃司監督、そして京都大学の山本博之教授らが登場すると、会場から熱い拍手が起こります。

始めにマレーシア映画文化研究会の篠崎香織さんより、「外来者をどう受け入れるか、国境を越えた映画づくりをしているという点でこの2本の映画を選びました」と趣旨説明。

左から、篠崎香織さん(北九州市立大学)、山本博之さん(京都大学)

続けて山本さんが「ハリウッドの怪物映画と東南アジアの怪奇映画は、とらえ方が異なります。前者は、他者を悪者にしますが、後者は、弱者であり犠牲者としてみます。だから後者は他者を歓待しなければ化けて出られると思う。それが観る側によってホラーにもなるしコメディにもなる」と笑いを交えて話すと、話題は国境を越えた映画製作の話が中心に。

ニューヨークで映画を学んだホー監督は、「フィリピン人を主人公にしたのは、台湾に一番近い国なのに意外と知らないことが多いと思ったから。台湾を舞台にフィリピン人が主人公の映画を撮ることは大変驚かれましたが、自分にとっては新しいチャレンジ。ただ台北の人は、台湾人がほとんど出演していないことに大きなショックを受けたようです。そういう意味で、映画は観客の視点や価値観を変えることができるパワフルな媒体」。それを受け、深田監督も「日本社会で顕在化していない問題をあぶり出すのも映画の役割。混乱と対峙しながら生きていく空間を映画で表現したい。外国人同士だと当然起こることはわかるが、友人、家族、夫婦間でも同じことが言えます」と熱く語ります。

左から、ウィ・ディン・ホー(「ピノイ・サンデー」監督)、深田晃司(「歓待」監督)

製作日数は、「ピノイ・サンデー」が23日に対して、「歓待」は8日。「おお、クレイジー!」と叫んだホー監督は、「まだ映画は観ていませんが、深田監督と僕が描いているものは、国境を越えて混ざり合うという意味で同じです」とにっこり。新進気鋭の監督の発言に、参加者もメモをとりながら、うなずいていました。


【Focus on Cinema vol.3】より

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