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梁木ディレクターのここが見どころ「ティモール島アタンブア39℃」(インドネシア)


リリ・リザ監督の新作です。といっても、最近のリリ・リザ作品とは、いささか趣を異にしています。16世紀のヨーロッパ列強による植民地支配以降、島のほぼ真ん中で東西に分かれて統治されたティモール島。西ティモールを領土としたインドネシアは、ポルトガル領であった東ティモールを侵略。東ティモールから国境を越えて、インドネシアのアタンブアにやって来た難民。この作品は、東ティモールに母と妹を残し、アタンブアに来た父子の物語です。

最近は、明るい未来を背負う青年たちを描いてきたリリ・リザですが、ふたたびインドネシアの歴史の暗い部分を描こうとしています。会話が極端に少なく、抑えたトーンで淡々と描くことで、政変に奔ろうされた人々の癒えない傷が浮かび上がり、リアリズムを超えた詩的な美しさへと昇華していく……。明るいインドネシアと、傷を持つインドネシア、その両方を描くことを、リリ・リザは自らに課しているようです。

作品情報はこちら↓
http://www.focus-on-asia.com/lineup/film13_14.html

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