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【FOCUS ON CINEMA】沈黙の夜(トルコ)監督インタビュー

脚本/監督:レイス・チェリッキ

 

チェリッキ監督の大胆な手法に賛辞を送る梁木ディレクター

 

アジアフォーカスではすっかり常連になったレイス・チェリッキ監督。梁木ディレクターとも和んだ雰囲気で握手を交わし、インタビューが始まりました。

 

監督の最新作は、結婚初夜のつとめを通じてトルコに古くから浸透した男性優位社会の伝統や宗教、習慣の在り方を問うもの。映画のほとんどの場面が花婿と花嫁の寝室で撮られ、台詞も二人の対話に限られる手法に、梁木ディレクターからその大胆なアイディアはどこからきたのかを伺うと、「私は表現したい内容を焦点を絞って考え、社会全体を針でつついた小さな穴から見ています。主人公の花婿と花嫁が社会を象徴しているんです」と、穏やかな口調で語りました。

監督によると、この1つの部屋は、「花婿の部屋」「反政府的なもの」「尋問の部屋」の3つの部屋に考えられ、社会の隠された部分を暴く真実の扉になっているといいます。

また、美しい映像美で目に留まる「赤」と「白」の色使いについて、赤はこれまで伝統や宗教、習慣といった男性優位社会の犠牲になってきたもの、白は純白を表現しているのだそう。

キャスティングについて梁木ディレクターが「花婿役の彼はいい役者さんですね」と話すと、話題は撮影エピソードへ。花婿役のイルヤス・サルマンは、もともとはコメディアンだったそうですが仕事がいやになり酒浸りの生活を送っているところを、今回24年ぶりに監督が口説き落として俳優業に復活してもらったのだとか。撮影中も隠れてお酒を飲もうとして時に険悪なムードになりながらも、フィナーレに向かって緊張感のある現場をつくっていったといいます。

反対に、14歳の花嫁役については監督が絵を描いてまで探していたそうですが、なかなか理想の子に出会えず、105人目に見つかったのだとか。

衝撃のラストシーンについて、梁木ディレクターから「最小限のものを用いて、最大限の効果を上げている」と賛辞が送られると、監督は「継続する男性優位社会を、現代化した今の社会でオープンにさせたかったので、ドアを叩く音で締めくくりたかったんです。映画を観て、現実を振り返ってもらうことが私の映画でいつも変わらず表現したいもの」と力強く述べました。

インタビュー後には昨年と同様、監督から梁木ディレクターへ親愛の気持ちを込めて、素敵なランプがお土産として手渡されました。

 

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