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【FOCUS ON CINEMA】ゲーマー(ウクライナ)監督インタビュー

監督:オレグ・センツォフ

 

2年越しのオファーが叶った今回の来福に感激の対談

 

 

Tシャツに半ズボンという寛いだ姿で現れた監督。昨夜も福岡の街を楽しまれたようで少々お疲れのご様子でしたが、梁木ディレクターが「昨年は断られましたので今年再びチャレンジしました。この映画は2年越しで招待したいと思えるほど好きな作品ですよ」と伝えると、監督も胸に手をあて「ありがとう」とフレンドリーな笑顔をうかべます。

 

「この作品は、一言で言うとメランコリック。もっとお話を作ろうと思えばできる題材なのに、少年の内面をじっと見せていく、そういう描き方が素敵です」と梁木ディレクターが賛辞を送ると、「そういう感想はとても嬉しい。どの国でも静かなドラマだと言われます」と監督。映画を作った時は、まさかこのように世に知られるとは思ってもみなかったそうです。

 

というのも監督自身は、国立経済大学の出身で「映画の専門機関で学んだことは一度もなく、30歳の頃に趣味の延長からスタートし、いろんな映画を観たり本を読んだりして独学でここまできた」という一風変わった経歴の持ち主。プロフィールに記載されていた“モスクワで脚本・映画監督学を学ぶ”というのは、プロデューサーが勝手に書いたという監督の言葉に、梁木ディレクターも少し驚いた様子でした。

 

今回の製作費も、これまで営業やネットカフェ経営などのビジネスでコツコツ貯めた自己資金だそう。映画の舞台となったネットカフェは、監督自身が経営していたこともあるため、とてもリアルに描くことができたわけです。

 

さらに監督のバックグラウンドをひも解いていくと、2008年に撮った短編映画は、アメリカの作家サリンジャーの著作と同じ題名。「文学はロシアやアメリカだけでなく、世界中どこでも好き。日本のムラカミ(村上春樹)も好きです」と監督が言えば、「僕は、村上春樹と同じ年で同じ頃に同じ大学にいたんですよ」と梁木ディレクター。監督も目を見開き、「グレイト!」と興奮していました。

 

好きな映画監督について質問が及ぶと、精神性の高い叙情的な映像美で知られるロシアの巨匠、アンドレイ・タルコフスキー監督の名前が挙がりました。「ずっと観ていますが30歳頃からようやく彼の映画が少しずつわかるようになってきました。一番好きな作品はミラー(鏡)かな」。「彼は最高の映画人。そういえばこの「ゲーマー」という映画もタルコフスキーと同じような匂いがありますね。そういうわけか、繋がってきたぞ」と納得顔の梁木ディレクター。

 

次回作は、動物のサイを描いた長編映画を予定しているそう。梁木ディレクターがプレミアはぜひ福岡でと熱望すると、「プロデューサーが決めることなので即答はできませんが、チャンスがあればぜひ福岡の映画祭で上映したい。明日には帰りますが、福岡の映画祭は居心地もよく、進行もスムーズでとても気に入りました。ウクライナに帰ったら映画関係の仲間にも福岡の映画祭のことを広めようと思います」と監督。すっかり意気投合したおふたり。何度も堅い握手を交わしていました。

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