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【FOCUS ON CINEMA】中国 西寧FIRST青年映画祭 受賞作品「目撃者」上映会・Q&A

中国最大級のインディペンテンド映画祭「中国 西寧FIRST青年映画祭」は、福岡アジア文化賞を受賞したアン・ホイ監督など7人が審査員を務める本格的な映画祭として注目を集めています。今回は、中国のみならず日本やヨーロッパなど世界中から参加した1000を超える作品の頂点に選ばれた作品「目撃者」を特別上映。上映前には、映画祭のPV上映後、監督と映画祭の主催者・責任者の李 子為さん、スタッフの方々が登場し、熱のこもった挨拶と共に、扇子などのプレゼントが配られました。

 


 

李さんから一言。「日本に来たのも福岡も今回が初めてですが、とても親しみを感じております。これからの滞在中、福岡の街を楽しみたいと思います。アジアフォーカス・福岡国際映画祭にお招きいただきましてありがとうございます。今日は青年映画祭の代表としてここでご挨拶をさせていただきます。この映画祭は、中国のインディペンデント映画祭の中で一番規模が大きいものです。毎年7月、中国で最も海抜の高い所で開催される10日間の映画祭ですので、皆さんのお越しをお待ちしています。中国に来られる時は私にご連絡をいただければ光栄です。今日は、監督より上映会に来ていただいた皆さまに中国扇子をプレゼントしたいと思います。欲しい方は手をあげてください。残りのプレゼントは、Q&Aでご質問いただいた方にお渡しします。最後に、こうしてお招きいただきPRの場をつくっていただいたことに感謝すると共に、今後も中国と日本の距離が近づくように頑張ってまいりたいと思います。本日はありがとございました。

 

 

「目撃者」(中国) Q&A

監督:高 則豪

中国 西寧FIRST青年映画祭/プロデューサー :李 子為

 

Q:「目撃者」は商業性の強い映画だと思ったのですが、青年映画祭のコンセプトとしては他にアート性の高い作品などもあるのでしょうか。

監督:映像のデータ調整が間に合わず、あまりきれいな映像をお観せできなかったことをお詫びします。この作品はもともと映画祭のために作った訳ではなくて映画館で上映するために作らせていただいたものを映画祭に出品しました。商業映画を作るのか、芸術映画を作るのか、監督として撮りたい気持ちだけなんですけど、そのどちらの方向性にするのかはあまり考えていませんでした。映画館で上映するためには多少売り上げをあげなくてはいけないので、最初からいろんな制限がありました。単純に最初から映画祭に出す映画であれば、作り方はもっと違っていたと思います。編集でも断腸の思いでいろんなシーンをカットしましたし、芸術映画としては完全には納得がいっていません。

 

Q:映画祭の性質としてエンターテイメント寄りのものですか?それともアート寄りなのですか?

李:中国というマーケットを考えると、そういうものを一方的に制限して決めてしまうと若手監督がなかなか映画を作れなくなる状況があるので、どちらでも大丈夫、監督さんが撮りたい映画を撮って私たちがそれを受け止めるというのが基本的な考えです。自分の感性で伝えたいことを形にできる監督を映画祭としてはたくさん発掘したいと思っています。また近年では、中国だけでなく日本も含めてインターナショナルな監督に開かれたものになっていますので、幅広く扉を開けています。

 

Q:監督がこの作品を作るにあたってインスピレーションを受けた作品はありますか。また味のある俳優陣のキャスティングについてもお聞かせください。

監督:先に2番目の質問からお答えします。今回の俳優さんはふたりとも劇団の方で前にも一緒に作らせてもらったんですけど、本作のイメージにもあうかなと出演をお願いしました。最初の質問ですが、今の中国は社会問題もあり、現実の生活を映画にするのがなかなか難しいのが現実です。でも私は現在の生活を通して感じたものを映画に撮りたかった。その中で今中国でも社会問題になっているのですが、交通事故の現場を見ても直接倒れている人を助けることはできないわけです、自分が疑われるからという理由で。今、中国の発展は目まぐるしいですが、一方でこういう残念な状況が現実。下流社会の人達の生活の大変さを自分が映画で表現して皆に問いたいと思ったのです。それから善と悪をどう表現するのかも大きなテーマでした。最初は良い人だった主人公が、最終的には仕返しをする悪になる。善と悪の判断基準は何だろうとものすごく考えました。また大好きな2年前の邦画「悪人」にも影響を受けたと思います。

 

Q:中国の映画はよく観るのですが、地下社会を描いたものが多いように感じます。一般生活者のディテールがこれほど描かれているのは珍しいですね。

監督:確かに今までの中国映画に対するイメージはあるかと思いますが、今回の映画を作るにあたってはまずコストがかからないことも大きな理由でした。通常の何十分の一くらいですかね。興行収入があがらないことも想定しなけらばなりませんので。もちろん映画は好き嫌いがありますし、このような現実的な問題を観たくない人もいる。これからの中国映画がどういう方向にいくのか、また現実の中国はどんなふうなのか。フランスの映画祭でも同じような質問をされましたが、今回は中国で現実にある下層社会の人達の生活を映画として表現させていただいたということです。一つの社会には善悪が混ざりあっています。ではこのままでいいのかというとそうではない、私はいろんな社会問題をあぶり出して、映画という形で伝えたかったのです。

 

Q:実際に公開された作品を観て、中国の方々はどういった反応だったのでしょうか、気になりました。

監督:観る方もさまざまなので一言で言えません。観客の方と実際にお話していないので、はっきりとしたことは言えないのですが、自分の伝えたいことは伝わっているように感じています。

 

Q:最後に、監督の映画作りに対しての思いをお聞かせください。

監督:難しい質問で一言では言えないのですが、映画に対してはものをつくる人間として夢を持っています。夢をあきらめないで、続ける。この気持ちがあるからこそ、ここまで歩いてこられたのだと思いますし、これからも変わらず持ち続けていきたいです。2008年に第一作を作ったのですが、自分が好きな女性に相手にされなくても好きだよと伝え続ける、恋に落ちたというような気持ちで映画を撮りたいと思い続けてきました。映画がなければ死んだも同然。命をかけて映画を撮ろうとこれまで頑張ってきましたし、今後も歩んでいきます。

 

 

最後に、責任者の李さんより友好の証として、「映画を愛する方々に一言。いろいろと大変なことがあると思いますが、決してあきらめないでいるからこそこのような素晴らしい映画祭があるのだと思います。一緒にがんばりましょう」とのメッセージと共に、大きな記念の旗が贈られました。

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