ディレクター梁木のアジア映画館

梁木ディレクターのここが見どころ!⑦ 【サピ〈フィリピン〉】

 
スーパーリアルな社会派ホラー!

フィリピンを代表する巨匠メンドーサの新作は、アジア映画ファンなら見ておきたいですね。この作品も、社会の本質をえぐって過激です。緊張感あふれるドキュメンタリータッチの映像が、スタートから観客をぐいぐいと惹きつけます。視聴率で一喜一憂するテレビ界にとって、悪魔憑きという超常現象は格好のネタ。カメラマンが悪魔憑きの映像を他局に横流しにするところから話は始まります。そして恐ろしい超常現象がカメラクルーひとりひとりの孤独な日常に割り込んでくることで、現実と非現実の境界がぼやけ、恐怖がフラッシュバックのように現れては消えてゆく。そして恐怖はテレビ局全体、社会全体に広がってゆきます。

「どん底」や「ばあさん」で社会の最底辺をリアルに切り取ったドキュメンタリー風手法は、今回、テレビ局が舞台となって、支配層の腐敗までも視野に入れています。ホラーだけで終わらず、社会を支配するメディアの現実もえぐりだしています。さすがメンドーサ。



【上映作品紹介はこちら
 

Posted on