ディレクター梁木のアジア映画館

梁木ディレクターのここが見どころ!⑬ 【ブラインド・マッサージ〈中国/フランス〉】

 
絡み合う人間模様
タブーに挑戦する監督の最新作

圧倒的な演出力です。そして、息が詰まるほどの人間臭さ。南京のマッサージ院を舞台に、そこに働く男女の愛と憎しみ、欲望と嫉妬、目が不自由だからこそ一層凝縮された人間ドラマが展開するわけです。一組のカップルが新入りとして働きだして以来、平穏だった職場は一変します。微細な音を拾う音響、視力がない人々を思い出させる不鮮明な映像、とにかく登場人物たちの生々しい息遣いをこれでもかと叩きつけるような圧倒的な力がスクリーンにみなぎっています。もうこれだけでお腹がいっぱいになります。

中国第6世代を代表する監督ロウ・イエは、中国ではタブーに属する天安門事件や同性愛などを正面から描き、かなり危ない橋を渡りながら強烈に人間を描き出しています。第5世代が商業路線に走ってしまった現在、この骨っぽさはさすがです。「ふたりの人魚」や「天安門、恋人たち(原題:頤和園)」など、さかのぼってご覧になっていただきたい監督です。


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