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FOCUS ON CINEMA③【タイムライン〈タイ〉ディレクター懇談】

監督:ノンスィー・ニミブット

“青春映画の服を着た”深い映画

小麦色の肌によく似合うデニムの短パン姿で颯爽と登場したノンスィー・ニミブット監督。開口一番、梁木ディレクターが日本のロケ地に佐賀を選んだ理由を尋ねると、「大阪や東京などの大都市ではなく、タイ人が見たことのない角度の日本を描きたかった」と笑顔をうかべます。古き良き伝統文化が好きな監督は、初めて唐津くんちのDVDを観た時に大感激。
「親切な佐賀県民の支援と美しい風景のおかげで思い通りのシーンがたくさん撮れた、運が良かったです」

また本作における重要なモチーフとして登場する海の絵は、監督自身が実際に南タイの小さな入江で見つけ、「アメージング!」と感激した風景を描いたもの。

「自分の実体験から得た深い感動をためておいて、各作品に吐き出すというのがタイ人らしい映画の作り方だと思う。実は本作には、さりげなく仏教の思想もしのばせているんですよ」
これには梁木ディレクターも「海の表面が光り輝いている映像に仏教的なものを感じました。日本人とも共通する観念ですね」と納得の様子でした。

大都市バンコクとタイ北部のチェンマイ。手書きでしたためた手紙とSNSなどでやりとりされるコミュニケーションの方法。本作はこれら二重の対比を通して、人と人との関わりや愛の形を鮮やかにあぶり出します。

「一見、青春映画の服を着ているけれど、監督が描いているのはもっと深い世界だと思う。その真意は、日本の観客にもきっと伝わるはずです」と熱く語る梁木ディレクターと固い握手を交わしたノンスィー・ニミブット監督でした。

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