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FOCUS ON CINEMA⑪【慶州〈韓国〉Q&A】

 

監督:チャン・リュル
俳優:パク・ヘイル
プロデューサー:キム・ドンヒョン

(司会:梁木靖弘)

 

チャン・リュル



Q(司会):監督の作品は、説明が少ない分、いろんな要素が入っていて本作に登場するお茶のように何回でも美味しいという気がします。この作品は生と死の間のたゆたい、メディテーションといいますか、生と死のバランスがとてもいいと解釈したのですが、監督、いかがですか?
監督:私は、たいした考えはあまり持っていないんです(会場笑)。

 

Q(司会):はぐらかされましたね(笑)。じゃあ、主人公のパクさんに聞きましょう。カラオケの場面でされた独特の動き。あの演技指導はどういうものだったのですか(会場笑)。

パク・ヘイル



俳優:監督自ら、動いてみせてくれたんですが、とても真似できないような動作だったんです(会場笑)。でも頑張って撮りました(会場笑)。あの動きは、監督にしかできません。

監督:私がそのポーズをとったら、会場から皆さん出ていくと思いますよ(会場笑)。

 

Q(司会):パクさん、監督の演技指導は、どんな感じなんですか?

俳優:撮る前に指示をするという監督ではありません。ただ撮影の3〜4時間前に散策する時や、監督が好きなビビンバを召し上がる時なんかに、俳優のコンディションに合わせて話をしてくださるんです。新鮮な体験でしたし、いい機会だったと思います。

Q:チャーミングな映画で大好きだったんですが、日本人が出てくるシーンを観ると、今までの登場の仕方とは違って、アジアの中心軸がさりげなくずらされているようにも感じたんですが。

監督:そこまでたいした考えはないんですけども(笑)。違う人たちが集まると居心地が悪い時もありますよね。そこでユーモラスな話をして雰囲気を和らげるというのは良い方法だと思うし、日常にもっと増えればいいと思っています。映画の中では、納豆に助けられました(会場笑)。

 

Q:前知識なく鑑賞させていだきましたが、とても楽しめました。映像的には様式をしっかり見せながら感情をコントロールしているように見せて、結局、感情があふれる部分が出てきているように思いました。なぜこんな世界観を撮られたのか、監督の原体験などありましたら教えてください。

監督:自分の世界観というのは、未だにわからないんですよね。探し続けている途中だと思います。1995年から韓国と行き来するようになって20年ほど経ちます。初めて韓国を訪れた時、慶州のお茶屋さんを訪問したことがあります。その7年後、知り合いが亡くなって韓国に来た際も、衝動的に慶州に行ってみた、それが映画の着想になっています。私の時は美しい店主はいなかったんですけど、今回の映画ではそれを叶えることができました(笑)。

 

Q:パク・ヘイルさんを主役にしたのはどんな理由ですか。

監督:ご存知のように、とても素晴しい俳優さんです。最初、承諾してもらえるかわからない状況でした。ギャラもたくさんあげられませんでしたが、その代わり、二人でお酒をたくさん飲みました(会場笑)。酔ってるうちに承諾してくれたのかも。

俳優:もちろんお酒もたくさん飲みましたけれども、以前からとてもいい映画を撮る監督だなと尊敬していました。監督のことをもっと知るきっかけになるんじゃないかなと思い、承諾しました。監督はシナリオどおりに撮るよりは、現場の状況を見ながら進めていくタイプ。その変化しながら撮影していくことを楽しみながら関わることができました。

 

キム・ドンヒョン



Q:プロデューサ−として、どういう作品に監督が仕上げるかわからないなか、企画を通すのは大変だったのでは?(会場笑)

プロデューサー:ああっ!(会場笑) 監督の名声と、これまで撮られた芸術的な作品を観て、一緒に仕事をしたいなと思ったんです。もちろん悩んだ時もありました。でもお酒を飲んでから契約をしました(笑)。正直に言いますと、素晴しい監督と素晴しい俳優が集まって意気投合して作った作品なので制作側としても愉しく有意義な作品になりました。

 

Q:これまで監督の映画をアジアファオーカスで何本か観てきたんですが、いつも社会的な問題などを扱ってこられました。今回は少し雰囲気が違うと感じたんですが。

監督:確かに、以前の作品とはひと味違うと思います。その原因というのは歳月です。50歳過ぎたら鋭いところが抜けてくるというか、今はもっと多様な映画を撮っていきたいです。昨夜、福岡の屋台でお酒を飲みながら、パクさんが屋台の店主という主人公役で映画を作ったらいいんじゃないかという話をしました。お酒のついでに、「やる?」と言ったら、やりたいという話になりました(会場笑)。梁木さん、助けてください。

司会:全面的にバックアップさせていただきますよ。

プロデューサー:今、契約書を書きました。

司会:本気ですよ!

監督:私も冗談ではありません!

 

Q:あの劇中に出てくる大学の先生、あの人は何者なんですか?

監督:ああいう方々は、どこの国でもたくさんおられるでしょう。実を言うと私も酔ったらあんな感じです。あの方は、エンディングソングを歌ったり絵を描いたりする素晴しい芸術家なんです。お酒飲みながら説得しました(笑)。

 

Q:とても愉しく見せていただきました。古墳のラインがものすごくエロティックでどぎまぎしました。それと、写真を撮るという行為が効果的に使ってあったと思いました。

A:私達クルーも撮影をしながら、古墳のラインを観ながら女性の美しさを一緒に語りました。どういう場所に行っても、結局、残るのは写真だけですけど、なかには消さないといけない写真もあると思います。もうひとつ、写真というのは、映画と切っても切れないものだからです。

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