2018.09.22
『大楽師』Q&A
(2017年/香港/95分) 監督:フォン・チーチアン(馮 志強)
Q&Aゲスト:フォン・チーチアン監督 司会:西谷 郁
実施日:2018年9月17日
(※ネタバレあり)
司会:涙、笑いと盛りだくさんの内容で、音楽が印象的な作品でしたね。2013年の本映画祭で上映し福岡観客賞を受賞した『狂舞派』主演のチェリー・ガンさんも出演されていましたね。
A:この主演の女性は肝が据わっている女性をと思っていたので今回の役にぴったりと感じました。踊りも上手です。ピアノは弾けなかったのですが3か月ほど特訓しました。
Q:映画の中の楽曲が素敵でした。歌の歌詞などはどういう経緯でつくったのでしょうか?
A:この作品は音楽がとても大きな要素をしめています。この曲がどうやって生まれたかというのがとても重要でしたので、ピーター・カムさんというとても有名な方なのですが、彼に全てをお任せしました。曲の制作だけで2カ月かかりました。
Q:主役のロナルド・チェンさんに関して何か思いなどありますか?
A:彼はもともと歌手だったのですが10年ほど歌っていない状況でした。久しぶりに歌を披露してくれて、観客の方にも「あ、彼の歌だ!」と喜んでもらえたようでした。
Q:映画を見て泣きながら笑いました。監督にとって大切にしているシーンや苦労したシーンなどありますか?
A:ありがとうございます。この作品のテーマである音楽は世界共通語。それを皆さんと共有できるのが嬉しいのです。今日も音楽は共通言語だと改めて感じました。
気に入ってるところは、女の子がテーブルに縛られたままひっくり返って亀のようになっているシーンです。このような状況にもかかわらず彼女のイマジネーションは縛られてはいないという気持を込めました。
大変だったのは海上のシーンです。朝から晩まで、日焼けはするし、台風も来たりで、撮影時間を確保するため朝4時半に起きて移動し撮影するといった日々でした。この海上ハウスのセットは私のイメージした世界で、日常ではないという印象を与えるために、小物も日常使うものではなく新たに制作したものが多かったので、その辺も大変でした。
Q:監督は脚本家でもありますね。次回作の構想は?
A:次回作というか、実は福岡に来る前に1作撮り終えています。警察ものです。毎回全力投球で制作しています。音楽をテーマにしたものはこの作品で出し切っているので、次回作は全然違うものになっています(笑)。
Q&A終了後のサイン会では長い列ができていました。スタッフにも「みんなで記念撮影しましょう!」と声をかける、監督の気さくな一面も印象的でした。