おすすめアジア映画

上映作品「Bleak Night」と比較してみよう!No.2 台湾映画「九月に降る風」

以前、ここで今回の上映作品、韓国映画の「Bleak Night」と日本映画「青い春」を比較しました。さらに台湾作品とも比較したいと思います。

今回協賛企画として15日から始まっている「台湾映画祭2011」。そこで「九月に降る風(九降風)」を観てきました。
http://asia-republic.com/9wind/index.html

7人の仲間たち。いつもつるんで遊んでいます。すぐに集まって、くだらない事でも特別な事のように共有しあう。そんな時間はずっと続くと思っていたのに…少しづつ変わっていく関係。

ここまで書いていると、3作品のどれにも当てはまる内容です。そうなんです。どの国、どの時代でも、青春ど真ん中の若者に大差はありません。くっだらない!と思うような事をキラッキラッした目でやるんですね。喫煙、飲酒、女の子。卒業を前にして絶対的と思えていた関係が、微妙に崩れていくのも同じです。わかっていたつもりの仲間の心の中を読めない自分にとまどうのも…。

台湾のさわやかイケメンくんたちが勢揃いです。そう、全体的に他の2作品に比べるとさわやかなんです。でもなんだか物足りなさを感じたんですよね。もっと揺れる心とか思いの深いところがみれたほうがよかったかなと。2作品のディープさに比べると…ですが…。台湾の高校生活…といっても1996年当時ですので今との違いはあるにせよ、韓国よりは日本に近い気がしました。その辺を見比べるのもおもしろいです。原題の「九降風」は、台湾新竹に9月に吹く季節風のことで、この時期、台湾では卒業&入学シーズンと重なることもあり、日本の桜のように青春の新たな旅立ちと別れを象徴する代名詞なのだそうです。

台湾映画祭2011は20日までアジア美術館にあるあじびホールで6作品を1日4作品づつ上映しています。私は最後の18時からの回を観たのですが、120名ほど入るホールに私を含めて10人はいませんでした。もったいない…おかげでゆっくり観れましたが。ついつい自宅で観てるゆるゆる感覚になって、ドキリとするシーンでは声を上げていました…。

アジアフォーカスのチケットで観ることができますので、こちらも是非!

九月に降る風 [DVD]

  • 販売元:アミューズソフトエンタテインメント( 2010-02-24 )
  • 時間:107 分
  • 1 枚組 ( DVD )
  • 定価:¥ 3,990
投稿日: 作成者: Zhang Lue

平渓線の終点・菁桐駅で心癒される「台北に舞う雪」

「山の郵便配達」のフォ・ジェンチィ監督が贈るラブストーリー。新人歌手メイ(トン・ヤオ)は突然声が出なくなり、歌うことができなくなる。そのことを誰にも告げられず台北の街出て、平渓線の終点・菁桐駅にたどり着く。母親に捨てれら孤児として育ち、町の便利屋として、忙しく働く青年・モウ(チェン・ボーリン)と出会い、この町で暮らすようになる。町の人々との交流やモウの優しさに触れ、少しずつ声が出るようになっていく・・・。

この物語の魅力は、なんといっても、菁桐の町の景色。平渓線のローカルな雰囲気に、町の路地など、どこを歩いても、心がどんどん優しくなっていくよう。そして、メイの暮らす部屋やメイを探しにきた記者が入り浸るカフェのインテリアがとってもかわいい。カフェの女の子ウェンディのころころと変わる衣装に髪型もキュート。この、小さな町をきっと訪れたくなるはず。

台北に舞う雪(台北飄雪) http://taipei-snow.jp/

YouTube Preview Image

台北に舞う雪 [DVD]

  • 販売元:エプコット( 2010-11-27 )
  • 時間:145 分
  • 1 枚組 ( DVD )
  • 定価:¥ 3,990
投稿日: 作成者: pinoko

「2046」 胸に迫る「つかの間」の痛み






ウォン・カーウァイの映画は、物語としては限りなくゼロに近づこうとし、何かを凝視するような映像は、美しい。いいかえると、それは「つかの間」の性質である。彼にとって、生は永遠に続く「つかの間」であり、それに耐える痛みと悲しみだけを描こうとする。新作「2046」は、そんな映画である。

1963年のシンガポール、66年から69年にかけての香港を舞台にしている。が、出てくるのは、大きな歴史から切り離された「つかの間」の場所だけ。賭博場や酒場、主人公(トニー・レオン)が仮住まいする香港の小さなホテル。狭い部屋、ベッド、仕事机、廊下、階段、屋上だけを、ぼくらは見せられる。「つかの間」の暮らし、狭苦しい視野がすべて。それら全体を見晴らすショットは一度も登場しない。

主人公が書き綴る近未来小説の舞台も、「つかの間」の最たるもの、列車の中で進行する。また、酔いつぶれた主人公は、「つかの間」の乗り物、タクシーのなかで女性のひざに手を伸ばす。女性たちとの関係も、その場かぎり。借金を賭けで取り返してくれた、いつも左手に黒い手袋をした女賭博師(コン・リー)、情熱的な関係をもったはずの、ホテルの「2046」号室の水商売の女(チャン・ツィイー)、小説の代筆をしてくれたホテル支配人の娘(フェイ・ウォン)。

安定や定住などは、ない。定住するには、ホテルの支配人の娘のように、日本へ行って日本人(木村拓哉)と結婚するしかない。日本が結婚と定住をしめしているのは、おもしろい。

香港ばかりでなく、大都会は、だれにとっても「つかの間」の土地かもしれない。そして、ぼくらの生の感覚も、バーチャル化する生活環境によって、まちがいなく「つかの間」化しつつある。戻ってゆく場所は、もはや、ない。高速でチューブを突っ走る列車のように、時間のなかを疾走するほかない。永遠に引き延ばされた「つかの間」の悲しみが、ぼくらの胸を締めつける。

(2004.11.18)

 

2046 [DVD]

  • 販売元:TCエンタテインメント( 2005-04-27 )
  • 時間:130 分
  • 2 枚組 ( DVD )
  • 定価:¥ 3,990
投稿日: 作成者: そのっち