ディレクター梁木のアジア映画館

僕はジダン / Little Zizou



宗教の違いによって争う大人の世界(それこそインド的なのですが)のこっけいさを、子どもの視点から描いた風刺喜劇です。注目したいのは、従来の重厚、悠揚たるインド映画の映像とは違い、知的で、オシャレで、軽やかで、スピード感も十分です。なんだか欧米のコメディーのような語り口で、マンガのようなポップでキュートな感覚にあふれています。ミュージックビデオの雰囲気に近く、きっとインド映画という先入観をひっくり返されると思います。

今回の映画祭上映作品の中で、一番リズミカルで、ノリのいい映画でしょう。

あらすじ・予告編はこちらからご覧ください。

邦題 僕はジダン
英題 Little Zizou
原題 Little Zizou
製作国 インド/India
監督 スーニー・ターラープルワーラー
出演 ボーマン・イーラーニー[父(ボーマン・プレスワーラー)]

ゼノビア・シュロフ[母(ロクサーヌ・プレスワーラー)]

ジャハーン・バティーワーラー[リトル・ジズー(ザークシーズ・クダーイージー)]

イヤーナー・バティーワーラー[娘(リアナ・プレスワーラー)]

ソーフラーブ・アールデーシール[サイラスⅡ世・クダーイージー]

イマード・シャー[アータザークシーズ・クダーイージー]

シェールナーズ・パテール[ミス・パテール]

ディルシャード・パテール[ゼノビア・プレスワーラー]
製作年 2007年
分数 101分

投稿日: 作成者: 事務局スタッフ

カシミールの秋 / Autumn



インドとパキスタンの間の不安定な情勢がもたらすカシミール地方の現実が、登場人物たちの不安定な精神状態によって、みごとに照射されています。逆に、人物描写が状況を照射しているといってもいい。社会状況はけっして人物の背景ではありません。カメラに捉えられた映像は、客観的であると同時に主観的でもあります。美しい風景が、人間に突き刺さったナイフのように見えてきます。ナイフを突き立てたまま、人間たちは生活をしています。抜けば鮮血が噴出すのです。

カシミール地方の美しい自然と、殺伐と張り巡らされた鉄条網。この対比が異様なほど静かに、しかし、高い緊張感を保って表現されており、国家間に横たわる政治の現実を思い知らされます。

あらすじ・予告編はこちらからご覧ください。


邦題 カシミールの秋
英題 Autumn
原題 Harud
製作国 インド/India
監督 アーミル・バシール
出演 Reza Naji(Father),

Shahnawaz Bhat(Rafiq)

Shamim Basharat(Mother)
製作年 2010年
分数 99分

投稿日: 作成者: 事務局スタッフ

タンロンの歌姫 / The Fate of A Songstress in Thang Long



タンロンと呼ばれた時代から数えて、昨年はハノイ市建都1000年になるそうです。それを記念して様々な行事が実施され、そのなかにベトナム初の国際映画祭の開催もあり、この歴史大作も製作されました。ですから、主人公の歌姫の苦難は、ハノイ1000年の苦難でもあります。美しいベトナムの古典音楽が全編にちりばめられたコスチューム・プレイ、壮大な歴史絵巻です。武将でなく、薄幸の歌姫が主人公というところに、ベトナムの心根が見て取れます。韓国とも、中国やタイとも違う、ベトナム王朝の歴史がとてもきらびやかに描かれ、心奪われるものがあります。

それだけでなく、経済的に余裕を持ち始めたアジア各国が、競って自国のナショナリズム(アイデンティティといってもいいでしょう)を歴史劇によって映画化するという傾向がありますが、ついにベトナムもその仲間入りをしたかという感慨を持つ一作であります。

しかし、戦乱の時代を生き抜く女性楽師の可憐な姿には、ダン・ニャット・ミン監督の映画などでもおなじみの健気なベトナム女性像が重なり、やはり、魅了されますね。

あらすじ・予告編はこちらからご覧ください。

邦題 タンロンの歌姫
英題 The Fate of A Songstress in Thang Long
原題 Long Thanh cam gia ca
製作国 ベトナム/Vietnam
監督 ダオ・バー・ソン
出演 ニャット・キム・アイン

クァィック・ゴック・ゴアン
製作年 2010年
分数 120分

投稿日: 作成者: 事務局スタッフ

マジョリティ / Majority



いわゆる青春映画のうらがえしと言えるかもしれませんね。主人公の体型からしてアンチ青春映画であり、煮え切らないという点では、彼は立派なアンチ・ヒーローであります。ありがちな設定なのに、常に観客の期待をカッコ悪く裏切っていくストーリー展開は、不思議な寝技にでも掛けられたようで、妙にリアリティがあり、目が離せません。

この映画の凄味は、ラストシーンにあります。青春に目覚めかかった青年が、はたして何に目覚めるのか、ちょっと衝撃的な結末に、ぼくは呆然としてしまいました。

あらすじ・予告編はこちらからご覧ください。


邦題 マジョリティ
英題 Majority
原題 Çoğunluk
製作国 トルコ/Turky
監督 セレン・ユジェ
出演 バルトゥ・キュチュックチャーラヤン(メルトカン)、

セッタル・タンルオエン(ケマル)、エスメ・マドラ (ギュル)
製作年 2010年
分数 102分

投稿日: 作成者: 事務局スタッフ

恋するリトルコメディアン / The Little Comedian



タイの芸人一家に生まれた男の子の、いじらしくも一生懸命なトホホぶりを描いた作品です。主人公の男の子は、家族の中で唯一、学校でも舞台でも笑いをとることができない落ちこぼれ。いつかは笑いをとりたいと思っています。

そんな彼に突然訪れた、年上の美女への恋心。まるで「博多っ子純情」のような、そのトコトン一途な不器用さに、はじめは呆れてしまうのですが、いつの間にか応援したくなってきます。

タイの家族の温かさがじんわりハートに伝わってきて、これこそアジアの良さだなあと、ホッコリさせられる映画です。文句なしに楽しめます。


あらすじ・予告編はこちらからご覧ください。

邦題 恋するリトルコメディアン
英題 The Little Comedian
原題 Banchan.. Talolkwaikorn(Porsornwai)
製作国 タイ/Thailand
監督 Vithaya Thongyuyon, Mez Tharatorn
出演 Paula Taylor(Dr.Ice)、Jaturong Phonboon(Plern)
製作年 2010年
分数 130分

投稿日: 作成者: 事務局スタッフ

浄土アニャン / Anyang, Paradise City



さて、これはドキュメンタリーなのか、ドラマなのか。あるいはドキュ・ドラマなのか。ぼくら観客は、これは何なのかと物語を求めてウロウロし続けますが、答えは出ません。

直線的に進む物語ではありません。町の歴史的、文化的に積み重なった地層を縦断してゆくので、継ぎ目には断絶がありますし、中心もありません。脱力系ですが、大胆不敵です。ということで、生真面目な方には、おすすめできません。

カテゴリーにこだわらず、虚実皮膜の海をクラゲになって漂流するくらいの余裕派に、おすすめです。キツネにつままれたような宙ぶらりんの不思議な時空を楽しむこと、それがこの作品の面白さでしょう。

あらすじ・予告編はこちらからご覧ください。

邦題 浄土アニャン
英題 Anyang, Paradise City
原題 다시 태어나고 싶어요, 안양에
製作国 韓国/Korea
監督 Park Chan-kyong パク チャンギョン
出演 Han Yeri ハン イェリ(Staff 1)  Park Min-young パク ミニョン(Staff 2)
製作年 2010年
分数 102分

投稿日: 作成者: 事務局スタッフ

ゲシェル~ぎりぎり日記 / Gesher



運転手、トイレ掃除、溶接工の3人の男達が主人公とくれば、なんだ、希望のない話かと思われそうですが、さにあらず。最下層の世界に暮らしながら、人間としての誇りを持ち続けています。いつかはここから…と、かすかな希望を抱いています。ちょっと背伸びしてしまう人達とも言えるでしょう。

そういう彼らを、はじめは、つい上から目線で見てしまいますが、人間としての矜持を頑固に失わないでいる姿に共感し、やがて彼らと同じ目線で世界を見ていることに気づかされます。

あらすじ・予告編はこちらからご覧ください。

邦題 ゲシェル~ぎりぎり日記
英題 Gesher
原題 Gesher
製作国 イラン/Iran
監督 Vahid Vakilifar
出演 Hossein Farzizadeh(Jahan), Ghobad Rahmaninassab(Ghobad),

Abdolrassoul Daryapeyma(Nazam)
製作年 2010年
分数 84分

投稿日: 作成者: 事務局スタッフ

台北カフェ・ストーリー / Taipei Exchanges



女優さんから、映像から、物語まで、すべてにオシャレな映画です。ファッションも生き方もいまの最先端で、大人の女性のためのファンタジーといえるでしょう。

モダンに疲れ、スローライフにひそかにあこがれる現代の女性にとっては、理想の生活かもしれません。都市文化のエッセンスがつまっており、思わずひきこまれます。


あらすじ・予告編はこちらからご覧ください。
邦題 台北カフェ・ストーリー
英題 Taipei Exchanges
原題 第三十六個故事
製作国 台湾/Taiwan
監督 シアオ・ヤーチュアン
出演 グイ・ルンメイ(ドゥアル)

リン・チェンシー(チャンアル)
製作年 2010年
分数 82分
字幕提供 東京国際映画祭

投稿日: 作成者: 事務局スタッフ

すばらしき大世界 / It’s A Great, Great World



がむしゃらに発展してきたシンガポールは、たしかに豊かにはなった。が、高齢化が進み、何か心が満たされない。貧しかったあのころのほうが幸福だったかもしれないと、古き良き時代へ思いをはせる、そんな映画です。遊園地のセットから、恋や歌や踊りまで、B級らしさ満載で、観客のノスタルジーを掻き立ててくれますね。笑わせて、思わずほろっとさせられるハート・ウォーミングな作品。

いまや成熟したシンガポールが、まだ明日をも知れず夢中で生きていたころを振り返り、もういちどアイデンティティを再確認し、今を活性化させるために、このような作品が生まれたのではないでしょうか。

あらすじ・予告編はこちらからご覧ください。

邦題 すばらしき大世界
英題 It’s A Great, Great World
原題 It’s A Great, Great World (中国語題:大世界)
製作国 シンガポール/Singapore
監督 Kelvin Tong
出演 Olivia Ong(Ah Min), Nancy Sit(Mrs Tan), Henry Thia(Ah Boo),

Chew Chor Meng(Ah Meng), Xiang Yun(Mei Gui)
製作年 2010年
分数 91分

投稿日: 作成者: 事務局スタッフ

妻は、はるか日本に / The Japanese Wife



メロドラマの王道を行く作品ですが、クオリティが高く、全編を通じてインドならではの味わいがあります。エンディングは、ほんとうにインド的な、崇高とすら思える高揚感がありますね。

ゆったりしたメロドラマの描き方になるほどインド、と納得してみたり、インドという国から見た日本人女性の存在の仕方も興味をそそられます。インドでなければ描けないラブストーリーといえるかもしれませんね。

あらすじ・予告編はこちらからご覧ください。

邦題 妻は、はるか日本に
英題 The Japanese Wife
原題 The Japanese Wife
製作国 インド/India
監督 Aparna Sen
出演 Rahul Bose (Snehamoy) / Chigusa Takaku (Miyage) / Raima Sen (Sandhya) / Mousumi Chatterjee (Mashi)
製作年 2010年
分数 105分

投稿日: 作成者: 事務局スタッフ