アジアフォーカス・福岡国際映画祭

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2019年9月13日(金)~9月19日(木)

ニュース

2019.11.30

チャン・リュル監督特集『風と砂の女』『豆満江』@福岡市総合図書館映像ホール・シネラ

映画祭期間中、福岡市総合図書館・映像ホール・シネラで行われた映画『福岡』記念 チャン・リュル監督特集「越境するポエジー」のうちの『風と砂の女』と『豆満江』の上映。『風と砂の女』の上映後に行われたQ&A、『豆満江』の上映前に行われた舞台挨拶の模様を紹介します。

『風と砂の女』Desert Dream
2006年/モンゴル、韓国、フランス/125分
監督:チャン・リュル

Q&Aゲスト: チャン・リュル監督、司会:梁木靖弘
実施日: 2019年9月16日

 

チャン・リュル監督(一番右)

Q(司会・梁木): 監督の作品にはスニという女性の名前がよく出てきますね。
A: 私は役名をつけるのが苦手なもので…。この作品の母親もスニですが、スニという名前は、私の出身地に多い名前です。

Q: 本作の舞台はモンゴルですが、監督とモンゴルは、どのような関係があるのでしょうか。
A: 特別な関係があった訳ではありません。2005~6年頃、北朝鮮からの脱北者がモンゴルに行ったという話や、モンゴルを経由して南(韓国)に行ったというニュースを耳にして、この物語を発想しました。

Q: モンゴル語は分かりますか?
A: 全くわかりません。

Q(司会・梁木): この作品は母と息子の話ですが、監督と監督のお祖父さまの国・韓国の姿も見え隠れするように思います。監督自身のルーツや記憶なども入っているのでしょうか。A:  私自身はモンゴルと関係ありませんが、実際に映画を撮ってみると、まるで自分の知らない出生話が盛り込まれているのではと錯覚するくらい、映画の中のエピソードに親近感を持ちました。特に、劇中の母子が現れるシーンでは、幼い頃、不在がちだった父に代わり、-20℃や-30℃という極寒の中、母が私を背負って歩いてくれたことを思いだしました。母がとっても大きく見えて、母を心から信じていたことを思いだしました。

Q: 製作費はどれくらいかかったのでしょうか。また監督は映画製作を独自で勉強されたとのことですが、どのように学んだのでしょう?
A: 質問にお答えする前に、この場を借りて図書館の皆さまに感謝を申し上げたいと思います。映画は、大切に保存しないと見られなくなります。福岡市総合図書館が私の作品を所蔵し、保存してくれているおかげで、10年ぶりにこの作品を見ることができました。費用の話ですが、この作品は私の作品の中でも、一番お金がかかった作品です。予算は約1億円で、KOFIC(韓国映画振興委員会)とフランスからある投資を受けて実現しました。なかでも一番お金がかかったのは、戦車のシーンです。戦車だけで予算の10分の1くらいの費用かかりました。2つ目の質問ですが、特に映画学校に通った訳ではないのですが、40歳を超えてから誰に教わるでもなく映画を撮り始めました。不思議なことに今では大学で映画を教えています。

Q: 何か思い出した撮影エピソードなどあれば教えてください。
A: この主人公を演じている役者さんはモンゴルの国民的俳優で、ロシアで映画を学んだ人でした。カメラの前でわざとらしい演技をするので、はじめは彼と意見が合いませんでした。そんなある日、2人で馬に乗り、少し離れた店に行きました。そして、その店の主人が大変無表情な人だったので、それを観て、あの主人のような男を演じて欲しいと説明しました。それ以降、彼とはうまくいくようになりました。

 

豆満江Dooman River
2010年/中国、韓国、フランス/92分
監督:チャン・リュル

舞台挨拶ゲスト: チャン・リュル監督、司会:梁木靖弘
実施日: 2019年9月16日

監督: この作品を撮ったあとは、「もう映画を撮りたくない」と思うくらい、辛い撮影でした。クランクインした時期が-30℃という真冬だったからです。一番撮りたいテーマだったにもかかわらず、そう思うほど過酷でした。

司会・梁木:では、次の作品を作ろうと思った理由は何ですか。
監督:この作品の後、2、3年映画を撮らずに休んでいましたが、韓国の延世大学で教えているうちに、学生から「なぜ新作を撮らないのですか」と言われまして、また撮ろうと思いました。

(以下は、映画祭一般上映『福岡』Q&A内で出た『豆満江』に関する質問です)
Q: 『豆満江』を拝見したのですが、今でも北朝鮮から川を渡って脱北する人々はいるのでしょうか。
A: 私は豆満江近くの出身です。親が生きていた頃は、(川を渡って)故郷の北朝鮮に行ったりもしていました。最近の現状はよく知りません。

Q: 映画を観て、大変感動しました。中国ご出身ということですが、北朝鮮への思いや関わりなどはありますか。
A: 『豆満江』の後は、韓国・ソウルの延世大学で教鞭を取ることになり、韓国に移り住みました。映画だけ作って生活したいという思いからです。特に政治的な理由はありません。私は中国の朝鮮族の出身ですが、私にとって朝鮮半島は母国ですし、自分の出発点で、両親の記憶が内在する場所です。北朝鮮や韓国で産まれた訳ではありませんが、自分の根底にあるものは、やはりこの地にあると思っています。政治的な事は解らないし、理解できませんが、ソウルで自由な立場で、生活できる(食べていける)のはありがたいことです。北朝鮮と中国の間にも問題はありますが、60年代に中国で大きな災害があり、たくさんの人が亡くなった時、豆満江を渡って10万人ほどの人が北朝鮮に渡った事がありました。だからこそ、誰かが困難に見舞われた時は、(国は違えども)それを助けようとする気持を持つことが大切なのではないかと思っています。

 

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