アジアフォーカス・福岡国際映画祭

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2019年9月13日(金)~9月19日(木)

ニュース

2019.09.17

映画祭一般上映『マルカド、月を喰らうもの』Q&A

『マルカド、月を喰らうもの』Markado: The Moon Devourer
2018年/フィリピン/90分
監督: ジョー・バクス

Q&Aゲスト:ジョー・バクス監督 司会:梁木靖弘(映画祭ディレクター)
実施日:2019年9月14日

ジョー・バクス監督(右)、梁木ディレクター(左)

Q(司会:梁木D):この作品は、一言で言えば、よく分からない。西洋的なロジックでは理解できない、アジア独特のストーリーテリングを感じました。この作品の発想は、どこから来たのでしょう。

A:その質問に答えるのは大変難しいのですが、この映画の発想は、僕自身の経験、生まれ育った街、個人的な人形コレクションなど、さまざまなものから来ています。また、フィリピンには、スペインに植民地化される以前、伝統的な起承転結(ストーリーテリング)がありました。この作品では、その伝統的な起承転結を大切にしました。

 

Q:人形を使ったアニメはこれまでもありますが、こんな使い方は初めてみました。使い方がうまいなと思いましたが、人間が演じるパートと、人形が演じるパートは、あらかじめ計画していたのでしょうか。

A:まず、この映画が生まれたバックグラウンドについて説明させてください。この映画の実写部分は2年にわたり撮影をしたのですが、撮影しているうちに、予算がなくなり、スケジュール的に役者に演じてもらうことも難しくなりました。最後には、撮影スタッフもほとんどいなくなり、一時は映画を完成できないかもしれないという状況に陥りました。そんな時、妻と残った6人の友だちが、せっかく始めたのだから、なんとしても作品を完成させるべきだと言ってくれ、この映画をなんとしても完成させようと決心しました。人形を使うというアイデアを思いついたきっかけの1つに、2011年にフィリピンを襲った台風センドンがあります。台風の甚大な被害とショックに、人々はどうしていいかわからず、その姿が、まるで誰かに動かされるのを待つしかない人形のようだと感じたのです。また、人形を使ったもう1つの理由は、かねてから人形が、人間より人間らしいと感じることがあったからです。

Q:始まりからは想像できないエンディングに驚きました。さきほど、さまざまな要素がこの物語の発想のもとになっていると言っていましたが、監督がこの映画を通して、一番伝えたかったものは何でしょう。

A:それも非常に複雑で、何から説明すればいいか分からないのですが…。最後に出てくる“アスワン”とは、かつてフィリピンに存在したシャーマンのような存在です。大地や自然、地球とつながり、国や人々を外敵から守る社会のリーダーのような存在で、女性も多くいました。祖父が最後のシャーマンの1人だったこともあり、僕はそれがどんなものか知っているのですが。西洋からキリスト教が入ってきて、多くの女性アスワンは魔女狩りにあい、処刑されました。その処刑の仕方が、クロコダイルのエサにされるというものでした。今ではフィリピンでもその存在を知る人は少ないのですが、僕はアスワンをフィリピン文化のシンボリックな存在だと思い、この作品の中で描きました。

(ここで「誰かの妻」の ディルマワン・ハッタ監督から質問が)

Q:予算の関係で、人形アニメを組み込むことになったと言われましたが、そのことで作品自体のコンセプトや方向性が変わったということはありますか?

A:僕は、もともと「アートは生きもの」だと思っています。アーティストとして、僕は作品をコントロールしているわけではありません。作品をコントロールするという考えは、アートと真逆の行為だと思っています。アート自体が力なのです。ただ、僕の映画はフィリピンの観客にはあまり好まれませんでした。みんな途中で席を立ってしまって(笑)。今日上映が、僕の映画で一番多い観客数です。福岡国際映画祭に参加できて、光栄に思います。今日は本当にありがとうございました。

会場からのポジティブな感想に喜んでいた監督。上映会後も丁寧に質問に答えながらサインをしてくれました。

★『マルカド、月を喰らうもの』の次回上映は、18日10:15、19日14:45です。ぜひ、映画祭でご覧ください。

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