アジアフォーカス・福岡国際映画祭

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2019年9月13日(金)~9月19日(木)

ニュース

2019.09.18

ディレクター懇談①『福岡』チャン・リュル監督

『福岡』英題:Fukuoka(韓国・日本中・中国)

監督:チャン・リュル

時空を超えた想いが交差する街―幸せな丘「福岡」

 

昨年の春、福岡ロケを行い、2018年の本映画祭ではメイキングを上映。まさに満を持して、今回、日本初披露となった『福岡』。本映画祭では期待と興奮の中、華々しくオープニング上映され、続くシンポジウムを交えた第一回目本上映では、会場がほぼ満員に!

 

『福岡』の制作をサポートした関係者が集い、チャン監督の映画づくりの表と裏を語り合ったシンポジウムでは、関係者や観客一人ひとりの意見や質問に独特のユーモアを交えながら、丁寧に応える姿が印象的だった監督。本映画祭で出会い、10年来、チャン監督と親交を深めて来た梁木ディレクターによる、通算6回目となるディレクター懇談では、創作のパートナーとしての話も広がり、チャン監督もいつも以上に饒舌で今後の本映画祭への可能性をお互い熱く語り合うなど、かつてないほど懇談は盛り上がりました。

 

ご存知、チャン監督の作品にはシナリオがなく、その場で撮影、現場で編集をしながら制作を進めていくスタイル。今回も福岡ロケスタート段階では、「過去を引きずる中年の男性2人が1人の少女とともに、福岡の街をそぞろ歩く」というアイデアしかなかったと語ります。制作をサポートした梁木ディレクターも、今回の本編上映まで全貌を知り得なかったという本作。チャン監督によれば、昨年春の福岡ロケの後、数か月でつくりあげたとのこと。「同時に別バージョンの『福岡』もつくったんですよ。実はそちらが本命で」とのチャン監督の爆弾発言に、思わず驚きの声をあげた梁木ディレクター。今回はカラー作品ですが、モノクロバージョンの『福岡』も用意しているとチャン監督は言います。

 

『春の夢』(16)では、モノクロがカラーにスイッチするラストシーンが印象的でしたが、どの作品でも撮影段階でカラー、モノクロどちらでも対応できるように制作を進めているという監督。「監督の作品はすべて、最後の一瞬が決め手なんですよね」と興奮気味に語る梁木ディレクターに、「作品をつくる時、最初にパーッとラストシーンが浮かんで、そこへ向かって進めていくパターンが多いですね」とチャン監督。『福岡』ではその影響はあまりなかったと言いますが、オープニングとエンディングの絶妙なつながりと演出に、「今回もまたチャン監督作品の醍醐味を味わった」と梁木ディレクターは語ります。

今回の懇談の大きなテーマとなったのは「実在と不在について」。『福岡』では2人の中年男性が、かつて愛した女性について想いをめぐらせますが、その女性は実際に出てきません。「リアルな人の姿がなくなっても、その人間の視線は残っているわけです。つまり、実在でも不在でも“存在”している。その描写を通じて、人と人の関係を描きたかった」と語るチャン監督。それは自身が経験したことのない祖父や祖母の記憶やルーツが内在している影響も大きいとチャン監督は語ります。「存在するかなと探すとなかったり、ここにはないなと探すと存在したり。人間同士の関係も歴史上の出来事も、すべてが混在、混同しているのが今の世の中で、私はそれを探る過程こそが映画づくりだと考えているんです」。

 

監督作品の今を支えているキーワード「わからないことを探る」について聞き、大いに納得した梁木ディレクター。「だから現実からちょっと浮遊した夢のような作品に仕上がるんですね」との言葉に、「歳をとって経験を重ねると、若い頃とは逆に人生や人との関係がわからなくなっていく。その答えをいつも探っているんですが、最近、そもそも答えなんてないんだって開き直っているんです。その方が気楽ですから(笑)」と笑いながら答えるチャン監督。「まだ仙人にならないでくださいよ」と梁木ディレクターも笑って返します。

 

そんなチャン監督が作品制作にあたり、大切にしていることは「ウソはつかない」「知らないことを知らないと認めること」。本作で博多弁を使用しなかった理由もそこにあるといいます。「今の世の中、みなが知ったかぶりをするから、政治・社会面も間違った方向に動いているのでは?」と真剣なまなざしで語ってくれました。

 

今回、福岡の観客に囲まれてスクリーンで本作を鑑賞した時に、「自分がどんなに福岡を愛しているかを改めて実感できた」と監督。同時に本映画祭への想いと同時に具体的な展開を熱く提案してくれました。それもなんと来年の本映画祭30周年に向けての企画!「映画祭に深い関わりを持つ監督たちを数人集め、“福岡”をテーマに短編映画をつくって1本の映画にしませんか」との提案に、「それは素晴らしい!」と目を輝かす梁木ディレクター。

「別に福岡ロケをしなくてもいい。福岡は“幸せの丘”だから、世界中どこにいても、そのテーマで映画は撮れます。そちらの方が想像力も掻き立てられますしね」。チャン監督と梁木ディレクターの映画祭へのトークはヒートアップ。「30周年には、白黒バージョンの『福岡』を上映しますから、「福岡」をテーマにした短編映画企画、実現させてくださいよ」とのチャン監督の言葉に、梁木ディレクターも「全力で応えます」とキッパリ答え、固い握手を交わしました。

ちなみに、監督は夢をモノクロで見るそうで、梁木ディレクターも同じ。モノクロの方が記憶に残るそうで、「いろんな手法をつかって観客の記憶に残るような作品を提供したい」と監督。モノクロバージョンの『福岡』の上映への期待も大きく膨らみます。

 

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