本日、アジアフォーカス・福岡国際映画祭2014の福岡観客賞、および熊本市賞が発表されました!
◎福岡観客賞:「ジャングル・スクール」〈インドネシア〉
監督:リリ・リザ
■作品紹介(公式カタログより抜粋):
いまだ手つかずの熱帯林が点在するインドネシア。森の中で暮らす人々“オラン・リンバ”の生活も、近代的な外の世界との関わりが徐々に避けられなくなってきていた。
スマトラ島にある国立公園保護などをおこなうNGO で働くブテット。彼女は、森の中、川の上流集落で暮らす子ども達に、読み書きや計算を教えている。ある日、ブテットはマラリアのため森の中で意識を失くし、はるか下流の集落で暮らす少年ブンゴに救われた。ブンゴは、その後も上流の様子を覗きに来てはそそくさと立ち去るが、彼もきっと教育を受けたがっているのだと、彼女は気づく。
森の子ども達への教育を上司に訴えるブテットだが、取り合ってもらえない。「彼らに必要な本当の教育とはなんだろう」心の中に生まれる失望と疑念。意を決したブテットは、再び森に入り、下流の集落で独自に教え始める。一方でその様子を冷やかな目で見る大人達。子ども達が教育を受ければ、いずれ集落を離れていくことを懸念していたからだ。
森の実態を理解しようとしない上司と、外の文化を拒む森の大人達。その狭間で苦しみながらも、まっすぐに学びを欲する子ども達の純粋な姿はブテットを勇気づけ、やがてジャングル・スクール設立へと彼女を突き動かしていく。
常に自国の将来を考え、歴史や抱える問題に対し真摯に取り組み、それをエンターテインメントとして昇華させる、リリ・リザ監督の最新作。
実在のブテット・マヌルン氏は1972 年ジャカルタ生まれ。彼女の教育支援活動が認められ、2004 年、米Time 誌の『HERO OF ASIA』に選出された。自著『Sokola Rimba』を2007 年に出版。監督はブテット氏への綿密な取材を経て本作を製作、海外の映画祭でも数々の賞を受賞した。主人公を、昨年の本映画祭上映作「聖なる踊子」主演を務めたプリシア・ナスティオンが熱演。また、現地ではオラン・リンバの人々も出演している。
■監督プロフィール:リリ・リザ
1970 年インドネシア生まれ。ロンドン大学で脚本学を専攻し修士課程を修了。ドイツ短編映画祭での受賞により注目され、後に監督した長編映画「シェリナの冒険」(’00)は自国で大ヒット。その後も世界で高く評価されヒット作に恵まれる。主な作品としては「GIE」(’05)、「永遠探しの3 日間」(’06)、「虹の兵士たち」(’08)、「夢追いかけて」(’09)、「ティモール島アタンブア39℃」(’12)等がある。
◎熊本市賞(次点):「福福荘の福ちゃん」(日本)
監督:藤田容介
■作品紹介(公式カタログより抜粋):
福福荘というおんぼろアパートに住んでいる福ちゃんは、職人同士の荒っぽい揉め事を取りまとめ、アパートでは住人同士のいさかいを収める、心優しい中年の塗装工だ。趣味は凧作り、それに目隠しして絵を描くという得意技も持っている。同じアパートに住むのはニシキヘビを飼う東大出身の馬渕と、下着泥棒の前科がある野々下。彼らとは気軽に話せるのに、独り身であるのを心配した職場の同僚から紹介された女性には、どうにも話しかけることができない。
外資系企業に勤める千穂は、とある写真コンテストで受賞。一念発起して会社を辞め、写真家の道を歩むことを決意する。尊敬する写真家に弟子入りしようとするが、セクハラに遭いそのショックで家に引きこもってしまう。ルームメイトとケンカして家に居づらくなった千穂。立ち寄った喫茶店で、「あなたがいま受けているのは過去に誰かをひどく傷つけた頃の報いであり、中学生の男の子の姿が見える」、と女店主からアドバイスを受ける。千穂は中学生の頃、同級生のいじめに加担し、ある男子にイタズラを仕掛けた過去があった。その男子とは福ちゃんであり、福ちゃんは中学時代のいじめがトラウマとなってそれ以来女性不信に陥ってしまったのだった。千穂は福ちゃんの元を訪ね、過去のいじめのことを謝罪するが……。
映画初主演となるお笑いトリオ・森三中の大島美幸が頭を丸刈りにし、福ちゃん役に挑むほのぼのタッチの人間喜劇。そこはかとない哀愁と人情味にあふれた、そのおっさんぶりはなかなか堂に入ったもの。ヒロインの千穂に水川あさみ、職場の同僚に荒川良々、アパートの住人に芹澤興人、飯田あさと、千穂のルームメイトに平岩紙、脇をかためる俳優陣が個性的な魅力を際立たせている。
本作は、沖縄国際映画祭に続きイタリアのウディネ・ファーイースト映画祭で上映され、好評を博し、引き続き海外でも公開される予定である。日本では2014年秋全国公開の予定。
■監督プロフィール:藤田容介
1963 年生まれ、兵庫県出身。大学在学中より映像制作を始め、1987年に『虎』でトリノ映画祭8 ミリ部門グランプリ、ぴあフィルムフェスティバル入選を果たした。2008 年には長編映画「全然大丈夫」(’08)を発表。本作「福福荘の福ちゃん」(’14)は監督の最新作にあたり、カナダ・モントリオールの第18 回ファンタジア国際映画祭で最優秀女優賞(大島美幸)に耀いている。
※福岡観客賞授賞式の模様は追って報告します!