アジアフォーカス・福岡国際映画祭

  • 日本語英語

過去のアジアフォーカス

1997年(第7回)

1997写真をクリックするとカタログをご覧頂けます
期 間 1997年9月12日(金)〜21日(日)
会 場 ソラリアシネマ1、エルガーラホール、都久志会館、福岡ピカデリー
内 容 12か国地域27作品
入場者数 アジアフォーカス・福岡映画祭 ‘97 —11,866人
協賛企画 —2,251人
合 計 14,117人
オープニング上映 運動靴と赤い金魚(1997年イラン)
※映画祭では「天使のような子どもたち」で上映

毎年台風シーズン中の開催であるにもかかわらず、難を逃れてきた福岡映画祭だったが、この年は会期中に台風19号が九州に接近し、ついに交通機関がストップ。百貨店なども臨時休業するなかで、やむなく一部の作品を上映中止した。入場者数は前年よりも減って14,117人に。しかし、映画祭参加ゲストは、前年特集上映したフィリピンから多くの自費による参加者を迎えて、過去最多の64人を数え、観客とのディスカッションは大いに盛り上がった。またこの年から、福岡から飛行機で40分の距離にある韓国・プサンでも国際映画祭がスタート。同時期開催のため、福岡からプサンへ移動するゲストも多く見られた。

台湾映画特集は、巨匠リー・シン監督の名作など、これまで紹介されることのなかった台湾ニューウエーブ以前のものを含んだ7作品。シンポジウムは、リー・シン監督のほか、ワン・レン、ワン・トンといった台湾映画界を代表する監督が台湾映画の歩みを総括し、充実した内容となった。99年の東京国際映画祭でグランプリなどを独占したチャン・ツォーチー監督もこの年に参加している。日本を舞台にした香港映画「廣島廿八」は製作後20年以上たって日本初公開。被爆者を主人公にした異色のメロドラマは社会的にも注目を集めた。

韓国映画「灼熱の屋上」は新人監督による傑作コメディ。以後、韓国から新世代の作品が多く出品されるようになる。

また、後に劇場公開された「運動靴と赤い金魚」(イラン)、「サイゴンからの旅人」(ベトナム)は、この年の映画祭での評判により配給が決まったもの。

この年から福岡市総合図書館では、映画祭期間中に海外からのゲストを対象に英語字幕を付けた日本映画の傑作を上映するようになり、好評を博している。 なお、前年までで福岡映画祭に4作品の出品を数える、韓国映画界を代表するイム・グォンテク監督が、この年の第8回福岡アジア文化賞・芸術文化賞に輝いた。

PROGRAM FOR 1997

※日本語題の()内は、福岡映画祭での上映題
※作品名の後にの付いている作品は福岡市総合図書館所蔵

●台湾映画特集
海辺の女たち リー・チャ(李嘉)監督 1963/台湾/Color/119min.
リー・シン(李行)監督
原郷人 リー・シン(李行)監督 1980/台湾/Color/107min.
老年萬歳 チャン・ペイチェン(張佩成)監督 1984/台湾/Color/111min.
ある女の一生 チャン・イ(張毅)監督 1985/台湾/Color/117min.
超級大国民 ワン・レン(萬仁)監督 1995/台湾/Color/122min.
赤い柿 ワン・トン(王童)監督 1996/台湾/Color/166min.
チュンと家族 チャン・ツォーチー(張作驥)監督 1996/台湾/Color/98min.
●アジアの秀作映画
運動靴と赤い金魚
(天使のような子どもたち)
マジド・マジディ監督 1997/イラン /Color/90min.
また逢えるなら バハラム・ベイザイ監督 1988/イラン/Color/159min.
飛びたち ハントーナ・ボルドロイ監督 1996/インド/Color/94min.
城壁 プラサンナ・ヴィターナゲー監督 1997/スリランカ/Color/85min.
苦難の大地 モルシェドゥル・イスラム監督 1997/バングラデシュ/Color/128min.
ファン・バー・カラオケ ペンエーク・ラタナルアン監督 1996/タイ/Color/102min.
サイゴンからの旅人(遙かな旅) レ・ホアン監督 1996/ベトナム/Color/95min.
ミラグロス マリルー・ディアス=アバヤ監督 1997/フィリピン/Color/130min.
あの時、なぜ! ジョエル・ラマガン監督 1996/フィリピン/Color/107min.
太陽の少年 チアン・ウェン(姜文)監督 1994/中国/Color/128min.
廣島廿八 ルン・コン(龍剛)監督 1974/香港/Color/110min.
灼熱の屋上 イ・ミニョン監督 1995/韓国/Color/110min.
愛する 熊井啓監督 1997/日本/Color/114min.
●協賛企画:現代アジアを描いた日本映画(主催/福岡映画祭企画委員会)
チャイナ・シャドー 柳町光男監督 1990/日本/カラー/121分
てなもんやコネクション 山本政志監督 1990/日本/カラー/119分
緊急呼出し/エマージェンシー・コール 大森一樹監 1995/日本/カラー/106分
旅するパオジャンフー 柳町光男監督 1995/日本・台湾/カラー/95分
深い河 熊井啓監督 1995/日本/カラー/130分
三たびの海峡 神山征二郎監督 1995/日本/カラー/123分
海ほおずき 林海象監督 1995/日本・台湾/カラー/138分

○シンポジウム「台湾映画について」(9月17日/エルガーラホール)

ページの先頭へ戻る